コンプライアンス教育といえば、しばしば従業員のエンゲージメントにフォーカスされがちですが、コンプライアンス教育の責任者にとって、組織内で成功に導くためには2つの側面があることが知られています。
その1つ目は「コンプライアンス教育において受講者である従業員からの不満を未然に防ぐこと」です。これについては先月の記事で具体的な方法を解説しました。

2つ目は、「教育を実施したことによる管理者側への影響度を測定し、その効果について経営層などに証明していく」ということです。
これは社内における重要な知識であるのみならず、社外からの要求事項でもあります。企業は外部から監査を受けて業界標準を満たし、関連する規制に準拠していることを示していかなければいけません。

例えば、米国保健福祉省(HHS)ではHIPPA法(Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996;医療保険の携行性と責任に関する法律)の中で、プライバシーとセキュリティの決まりを厳密に規定しています。
この法律への準拠を怠ると、最高5万ドルの罰金、またはそれ以上の罰金を含む民事、及び刑事上の罪が課せられることがあります。
同様に欧州においても、2018年5月に施行される一般データ保護規則(GDPR)に違反すると、重い罰金が課せられることになっています。

ここでは、予期せぬ罰金や罰則などを回避するために、効果的かつ合理的にコンプライアンス教育を推進していく方法を見ていきましょう

学習進捗状況を測定し、修了率を向上させる

受講者の進捗状況を把握することはとても重要です。教育結果のモニタリング指標は、受講完了後に改善を進めていく上での手助けとなります。
優れた学習管理システム(eラーニングシステム)は、きちんと受講が完了できていない受講者に再受講を促す通知を自動的に配信する等の仕組みによって、管理負担を軽減させることができます。
これにより教育者側にかかる時間が短縮され、より戦略的な学習を進めるための経営者との調整に集中することができるようになります。

成功を共有する

進捗状況の把握ができたら、次に行うのは現在の受講状況と修了状況などを示すレポートを簡単に作成することです。
管理職や米国保健福祉省(HHS)などの組織向けに進捗状況や修了状況を要約し報告することで、コンプライアンス教育の実体を示すことができるようになるでしょう。さらに、コンプライアンスに関するテストとその結果、受講証明は監査上とても重要となります。

使い慣れた環境にこだわる

組織内でOffice365やSharePointは既に使用されていますか?もし、そうなら、ぜひその使い慣れた環境に適した学習管理システム(eラーニングシステム)を導入してください。
新しいシステムを導入したり、追加投資をすることなく、将来のソリューションに合わせたテクノロジーを選択しましょう。

自分たちのやり方を見つける

これは非常に簡単なことにようにみえますが、すべてのシステムが、ベンダーのWEBサイトで紹介されているように使いやすく、拡張性が保たれているとは限りません。無料でテストが出来るデモンストレーションで、そのシステムが要望にマッチしているのかや、本当に簡単に使用できるのかをしっかり確認してください。
学習管理システム(eラーニングシステム)の使いやすさは、安全性やコンプライアンスなどの教育の成果に直結します。
社内の専門家や最前線のマネージャーが、教材を作成し学習コースを配信することを容易にしてくれるでしょう。

コンピテンシーと能力開発の関係

受講者は投資した時間に対しての成果がしっかり感じられれば、学習を進めていく上でのモチベーションが向上していきます。
必須な学習項目の他にも、現場の仕事の中で成功するために必要なスキルや能力を開発するためのオプションコースも用意していきましょう。


以前の記事でも述べましたが、コミュニケーションの重要性は強調するに越したことはありません。
上記に記載した事が実現出来るような学習管理システム(LMS)を導入することで、管理プロセスが簡易になり、従業員がちゃんと受講するようにメッセージを送り続けることに時間を割くこともなく、企業文化に即したコンプライアンスや企業倫理を浸透させていくことが可能となります。
健康と安全に関連した規制を遵守する必要性は、この先もずっと重要でありつづけるでしょう。しかし、私達の提示した内容に従っていくことで、コストダウンなどと同様に、現在のコンプライアンスの進め方に大きな前進をもたらし続けていくことでしょう。