組織学習とは?意味や4つのプロセス、メリットやルールについて解説

急速に変化する現代のビジネス環境において、企業の競争力を維持するためには、常に新しい知識とスキルを取り入れることが重要です。

成長している企業は常に社員の成長を促し、イノベーションを推進する文化を築いています。

このように持続的な成長を実現させる方法として、組織学習が着目されています。
本記事では、組織学習の言葉の意味から組織学習のメリットまで解説しています。

組織学習を導入しようと考えている方は、ぜひ最後までお読みください。


組織学習とは?

組織学習が謳われる背景には、経済のグローバル化と競争の激化や技術の急速な進歩、知識経済の台頭などが挙げられます。

このような時代の変化によって、協働と学習を重視する組織文化の普及や、変革を推進するリーダーシップの重要性、社員のモチベーション向上やスキルアップのための学習機会の提供が重視されるようになり、企業を学習する組織にしていくために、組織学習は現代のビジネス環境において不可欠な要素として広まりました。

以下では、組織学習の言葉の意味について説明していきます。

組織学習の言葉の意味

組織学習とは組織が経験や知識を蓄積し、それをもとに行動や戦略を改善し、競争力を高めるプロセスのことです。

組織学習の概念は、アメリカの著名な経営学者ピーター・センゲが提唱したものとして広く知られています。

ピーター・センゲは、組織が持続可能な成功を収めるためには、継続的な学習と適応が不可欠であることを訴えています。


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組織学習の4つのプロセス

組織学習は、知識の創造・獲得、知識の共有、知識の活用、知識のフィードバックと改善の4つのプロセスで行っていきます。

ここで重要なのは、これらのプロセスを繰り返し行っていくことです。そうすることで、組織は継続的に成長し、環境の変化に柔軟に対応できるようになります。

これにより、組織のルーティーンが進化し、より効果的で効率的なものに変わっていきます。

以下では、組織学習の4つのプロセスについてそれぞれ詳しく解説していきます。

知識の創造・獲得

知識の創造・獲得とは、社員一人一人が新しい知識やスキルを学び組織に新しい視点とイノベーションを提供できる知識を得ることです。

組織学習では、まず個人の能力を高めることが重要になります。

知識の共有

知識の共有とは、個人が取得した知識を全社で共有し、組織全体の知識とスキルを高め、集団的な知恵を形成することです。

知識を共有するためには、円滑なコミュニケーションと協力体制が必要不可欠です。

知識の活用

知識の活用とは、共有された知識を実際の業務に応用し、業務効率の向上や問題解決に役立てることです。

共有された知識を実際の業務に適用する際には、その知識が最も効果的に活かせる状況や方法を見極めることが重要になります。

知識のフィードバックと改善

知識のフィードバックと改善とは、知識の適用結果を評価し、改善点を見つけてプロセスを最適化していくことです。

これにより、組織の継続的な成長を促進します。

また、組織が社員にフィードバックすることで、社員の知識の創造・獲得に繋がります。

組織学習に必要な5つのルール

ピーター・センゲは、組織学習の4つのプロセスを業務に生かしていくためには、自己マスタリー、メンタル・モデル、共有ビジョン、チーム学習、システム学習と呼ばれる5つのルールが重要であると説いています。

この5つのルールを取り入れることで、組織全体の学習能力が向上し、変化に柔軟に対応しながら持続的に成長することが可能になります。

以下では、組織学習をしていく上で、必要な5つのルールについて詳しく解説していきます。

自己マスタリー

自己マスタリーとは、個人が自己の成長や能力向上を追求し、そのために積極的に学習やスキルの習得に取り組むことを指します。

自己マスタリーを推進するためには、組織がリソースやサポートを与え、奨励し、個人の意欲や能動性を高めていくことが重要です。
また、個々人においても自己啓発や自己改善を積極的に行い、組織全体の学習と成長に貢献することが大切です。

メンタル・モデル

メンタル・モデルとは、個人や組織が持つ、世界や現象を理解するための心の中の枠組みや概念のことを指します。

メンタル・モデルは経験や学習を通じて形成され、行動や意思決定に大きな影響を与えます。また、個人や組織が状況を理解し、問題を解決しようとする際に活用されます。

しかし、時代や状況の変化に伴い、今までのメンタル・モデルが適切でなくなる場合があります。そのため、組織学習では、常日頃からメンタル・モデルを共有し、柔軟に修正することが重要です。

これにより、組織全体が新しい情報や状況に適応し、持続的な成長と進化を実現することが可能です。

共有ビジョン

共有ビジョンとは、組織のメンバー全員が共通して抱く、将来の目標や方向性に関する明確なイメージや理想像のことです。

共有ビジョンを掲げることで組織全体の活動を一つにまとめ、メンバーが一体となって目指すべき方向を示すことができるため、組織の使命感やモチベーションを高め、協力とコミットメントを促進することが可能となります。これにより、個々の努力を統合し、組織全体のパフォーマンス向上と持続的な成長の基盤構築を実現することができます。

チーム学習

チーム学習とは、チームメンバーが協力して学び合い、共通の目標に向かって知識やスキルを高めるプロセスです。

チーム学習では、個々の知識が集団知となり、複雑な問題に対する創造的な解決策を生み出すことが可能になります。

さらに、メンバー同士の対話やフィードバックを通じて相互理解と信頼を深めることができ、なおかつ組織全体の効率や適応力も向上し、持続的なイノベーションと競争力の強化に繋がります。

システム思考

システム思考とは、組織やその活動を個々の部分ではなく全体として捉えて、それを効果的に変える方法を見つけるための概念的枠組みです。

複雑な問題の根本原因を特定し、短絡的な対策ではなく、長期的かつ持続可能な解決策を見出すことを目的とします。

また、システム思考は組織内外の様々な要素がどのように相互作用し、全体としてどのような結果を生み出すかを理解することが重要です。これにより、組織全体のパフォーマンスが向上し、変化に対する柔軟な対応力が強化されます。

システム思考を取り入れるには、システム思考の概念やツール、手法についての教育やトレーニングを組織全体で行うことが必要になります。

また、システム思考は一度導入すれば終わりではなく、継続的な学習と改善が求められるため、組織として常に新しい知識や技術を取り入れ、システム思考を深化させていく姿勢が重要です。

組織学習を取り入れるメリット

組織学習を取り入れ新しいルーティーンや文化を組織に浸透させるためには、時間やリソースが必要になります。また、組織内の様々な利害関係者やこれまでの文化を考慮しなければなりません。

中には、変化に対する抵抗や上手く適応できないかも知れないなどの懸念を持つ人も少なからずいると思います。
しかし、組織学習の導入によるメリットは、これらの課題を大きく上回るほどあります。以下では、組織学習を取り入れるメリットについて具体的に紹介していきます。

持続的な競争優位の確立

組織学習を取り入れることで、持続的な競争優位の確立が可能になります。
組織学習は社員や組織全体が持続的に成長するための基盤づくりの役目を担います。イノベーションが促進される最初の段階では、組織は新しいアイデアやベストプラクティスを習得する必要があるため、市場動向や技術の進化、顧客のニーズなど、外部環境に対する理解が欠かせません。

組織がこれらの情報を収集し、従業員が継続的に学ぶ機会を提供することで新たなアイデアやアプローチを生み出す土壌が育まれます。
そして組織が新たなアイデアやベストプラクティスを適切に活用することで、製品やサービスの改善、新しい市場の開拓など、競合他社との差別化が可能になります。

このように組織学習を取り入れることで、変化する環境に対応する柔軟性を確保し、持続的な成長を実現することができます。

効率性と生産性の向上

組織学習は、効率性と生産性の向上に直結する重要な要素です。
まず、組織内での知識やベストプラクティスの共有により業務プロセスが最適化されます。そして、社員が成功事例や失敗から学び、その知見を共有することで、同じ課題に対する最適なアプローチが明らかになります。
これにより、無駄な作業や重複の削減に繋がり、業務の効率性を向上させることができます。さらに、組織学習は問題解決能力を向上させ、生産性を高めることもできます。
社員が過去の経験や知識を活かし、新たな課題に対処するスキルを身に付けることができれば、業務の停滞や遅延を防ぐことが可能になるため、生産性の向上に繋がります。

品質とサービスの向上

組織学習を取り入れることは、品質とサービスの向上にも繋がります。

これは、組織全体が持続的に学び、成長することで、顧客満足度を高め、競争力を強化することができるためです。
まず、組織学習を通して社員が新しい知識やスキルを習得し、活用することで、製品やサービスの品質が向上します。
例えば、製造業においては、社員が新しい品質管理の手法やプロセスを学び、製品の欠陥を事前に防ぐための取り組みを行うことができます。
その結果、顧客満足度が向上し、製品への信頼が高まります。
その他、サービス業においては、従業員が顧客とのコミュニケーションスキルを向上させ、より良いサービスを提供することができます。
良いサービスを提供することで、顧客からの信頼を得ることができ、競合他社との差別化を図ることができます。
このように、組織学習を通して得た知識やスキルを生かすことで、製品やサービスの品質を向上させることができます。

社員の成長と満足度の向上

組織学習の導入には、社員の成長と満足度の向上というメリットもあります。
組織全体が学び、成長することで、社員は自己実現を追求し、より満足度の高い職場環境で働くことができます。
組織が定期的なトレーニングや教育プログラムなど、個々の能力や関心に合った学習機会を提供して、社員の成長を支援することで、彼らの仕事に対する取り組みや姿勢が積極的になります。
このようにして、社員は新しいスキルや知識をさらに身につけ成長することができます。
成長の機会が提供されることで、社員は仕事へのやりがいや意欲を高めることができ、自己実現を果たすことができます。
さらに、組織が社員の成長を評価し、適切に報酬や昇進の機会を提供することで、社員は仕事や職場に対する満足度を高めることができます。
組織学習を通して、社員が自己成長を実現することで、仕事への満足度が向上し、職場環境に対する満足度も高まります。

組織学習を取り入れて、企業の成長につなげよう

組織学習を取り入れて、企業の成長につなげることは、持続的な競争力を確立する上で必要不可欠です。
組織全体が学び成長することで、業界の変化に柔軟に対応することが可能になります。さらに、従業員と組織の両方が常に成長することで、持続的な価値を創造し続けることができます。

組織学習を促進するためには、学習を支援する組織文化を醸成していかなければなりません。経営層や管理職が積極的にリーダーシップを取り、学習に取り組む姿勢を示すことが重要です。

組織学習を取り入れるために、まずは組織全体で学ぶ風土や社員が意欲的に学ぶことのできる環境・制度作りから始めてみてはいかがでしょうか。

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監修者

三上 晃潤

三上 晃潤(株式会社ソフィア 事業開発部 リーダー)

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