eラーニングシステムのメリット・デメリットを企業・受講者視点別で解説

昨今eラーニングシステムを活用して社員のスキルアップを促進したいと考える企業が増えました。

一方で、導入に踏み切れていない企業もまだまだ多いのではないでしょうか。

そこでこの記事では、eラーニングシステムを導入する企業・受講者視点からメリット・デメリットについて詳しく解説します。

以下、本記事で紹介しているeラーニングシステムの企業視点におけるメリット・デメリットです。

項目 企業視点
メリット 管理の手間を減少させ、半期の評価や人事異動に学習状況を反映可能。
教室の手配や物理的なリソースを必要としないため、コストと手間を削減できる。
教材の更新や配布が効率的。さまざまな内容を一つのシステムで管理可能。
LMS365とTeamsの連携など、社内コミュニケーションと学習の連携が可能。
デメリット 全受講者がアクセスできる環境を整備する必要がある。
学習進行の管理やフォローアップが必要。
実技を要する職種の研修がオンラインだけでは困難。

本記事ではその他受講者視点でのメリット・デメリットなど、各項目について詳しく解説しておりますので、ぜひ参考にしてください。


eラーニングシステムとは?

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eラーニングシステムとは、オンライン学習(eラーニング)を運用する上で必要不可欠な学習管理システムのことです。

eラーニングシステムは、受講者が教育コンテンツの配信を受講すると、システムに学習履歴としてデータ保存されます。このシステムにより、各受講者の進捗状況が一目で把握できるようになります。

そのため、eラーニングシステムを導入すれば「社員が多くスタッフ全員が学習しているかわからない」といった悩みも解決できます。

また、教材管理機能では自社形式での教材作成や配信も可能です。教材ごとに一からプログラム作成を行う必要がなく、コストカット効果も得られます。

LMSとは同義語

LMS(Learning Management Systemの略称)とは、eラーニングを運用するための学習管理システムのことで、一般に「eラーニングシステム」と同義で用いられます。

2つに大きな違いはないため、「eラーニングシステム=LMS」と知っておきましょう。

LMS(eラーニングシステム)を導入すると、各受講生の学習履歴や進捗状況が一目で把握できます。これらの情報を基に、企業側は学習遅延がないかの確認や個別アドバイスができるなど、教育の強化がしやすくなります。

このようにLMSとは、eラーニングの運用を効果的かつ効率的な行うための学習システムです。

eラーニングのクラウドサービス化

eラーニングを導入するならクラウド型のシステムがおすすめです。

クラウド型なら、自社サーバーへのシステムの構築が不要であるため、スムーズに導入ができるメリットがあります。

従来は自社サーバーにeラーニングシステムを構築し、運用していくオンプレミス型が主流でした。しかしこの方法だと、社内でシステムの運用ができる人材や費用の確保が課題となっていました。

一方、クラウド型は、eラーニングを提供している会社のクラウド上にアクセスして、サービスを利用するものになります。既存システムにアクセスするだけなので、導入後の運用が不要となり、企業側の負担が大幅に軽減できるメリットがあります。

また、2023年には内閣府が「政府情報システムにおけるクラウドサービスの利用に係る基本方針」の改訂を行っており、クラウドを賢く適切に利用すること・システムを刷新することを推進しています。

上記内容からも、LMSのようなクラウドサービスの導入は政府レベルで推奨されていることがわかります。


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【企業目線】eラーニングシステム導入のメリット

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企業がeラーニングシステムを導入するメリットは、以下の3つです。

  1. 教育コストの削減
  2. 教育レベルの均一化
  3. 教育管理の効率化

eラーニングシステムの必要性を理解し、導入後の自社の姿をイメージするために、ぜひご活用ください。

メリット1:教育コストの削減

eラーニングシステムなら教育コストの削減ができます。

教育コンテンツは一度作成しておけば、繰り返し利用できます。オンライン教材であるため、訂正もしやすく、コストの軽減も期待できます。

またオンライン教材という特性上、研修の度に講師や会場の手配をしたり、資料の作成や受講者の出欠席の確認をしたりするなどの手間が不要になります。そのため、研修業務全般に関する生産性の向上ができるでしょう。

教育コストを削減できた分、コンテンツの充実や質の向上もできるのではないでしょうか。

メリット2:教育レベルの均一化

eラーニングシステムを導入すれば、運用によっては全受講者が平等に学習の機会を得られるため、教育レベルの均一化を図れるでしょう。

eラーニングシステムでは、各受講者の受講状況のデータを一元管理できます。そのため、進捗が遅れている受講者に対して、eラーニングを受けるように促すことができるのです。

またスマートフォンやタブレット端末さえあれば、時間や場所にとらわれることなく受講できます。出張や私用など個々の予定との兼ね合いを考えながら、学習することができます。

そのほか、理解できなかった内容の復習を繰り返しできるメリットもあります。また、遠隔地に勤務する受講者同士であっても、学習内容について話し合ったり、実践事例を共有することで、お互いのスキルアップを促すことができるでしょう。

このようにeラーニングシステムを導入すると、受講者の教育の均一化やスキルの底上げができます。

メリット3:教育管理の効率化

eラーニングシステムを導入すると教育管理の効率化もできます。

各受講者の学習の進捗状況をリアルタイムで確認し、個別のアドバイスや学習を促す声かけができます。

また学習状況や学習結果を分析することで、教育コンテンツを改善し、質の高い内容にアップグレードし続けることもできるようになります。教育の質が上がれば、受講者のスキルアップや組織全体の生産性の向上にもなります。

そのほかにも、研修でおきがちな講師によるばらつきを防ぎ、教育内容の均質化もできるでしょう。オンライン教材という特性から資料の追加・修正も簡単にできます。

【受講者目線】eラーニングシステムの利用メリット

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受講者がeラーニングシステムで受講するメリットは、以下の3つです。

  1. どこでも学習可能
  2. スキルアップの効率化
  3. 評価の判断材料

せっかくeラーニングシステムを導入するなら、利用する受講者にメリットがなければいけません。

この章で紹介する受講者のメリットについて十分理解し、eラーニングの効果を最大限活用できるようになりましょう。

メリット1:どこでも学習可能

eラーニングシステムの導入で受講者は、いつでもどこでも学習ができるようになるメリットがあります。

従来の社内集合研修は、場所や時間に縛られる欠点がありました。しかしクラウド型eラーニングを導入することで、これらの課題が解決されます。

クラウド型eラーニングシステムとは、提供会社のクラウド上にアクセスして、研修を受講できるサービス方法です。そのためスマートフォンやタブレット端末さえあれば、どこにいても受講ができる特徴があります。

オフィスや自宅、外出先での隙間時間など、あらゆる場所から受講できるメリットがあるのです。

また、1回の学習時間も個人で決められます。いつもより30分早起きをして出勤前に受講したり、仕事終わりに20分だけ受講したりするなど、スタイルに縛りもなくなります。そのため、受講に対するハードルも下がるでしょう。

このようにeラーニングシステムを導入すると、受講者がどこからでも学習ができるというメリットがあるのです。

メリット2:スキルアップの効率化

受講者にとってスキルアップの効率化が図れるのもメリットと言えます。

理解できなかった部分の復習がしやすく、自分のペースで学習を進めることができます。

受講者によって学習の理解度や感じる難易度は異なります。ある受講者は簡単に理解できた内容でも、違う受講者にとっては何度も復習が必要な場合もあるのです。

従来の集合研修は、大勢で受講しているため、理解できていなくても質問しづらいという課題がありました。一方eラーニングシステムなら何度も復習でき、自分のペースで学ぶことができます。分からなかった内容は個別に講師や教育コンテンツの提供者へ質問したり、受講者同士で個別に確認し合うことで、スキルアップしていくことができます。

また研修は、希望者が少ないと、予算の関係で開催が難しくなることもありました。しかしeラーニングなら、内容が陳腐化しない限り永続して使え、またコストを抑えて制作することが可能です。そのため、希望者が少なく開催を断念した研修まで網羅できるようになるのです。

メリット3:評価の判断材料

評価の判断材料を増やせることも受講者にとってeラーニングシステムを導入するメリットでしょう。

リアルタイムでデータ化される学習履歴や進捗状況が、人事評価の材料になるからです。

従来の集合研修では、人事部や管理者側は出席の把握はできたものの、各受講者の学習状況をデータとして残すことはしづらい部分がありました。社外研修に至っては自社の管理システムと紐づいていない場合が多く、個人の努力が適正に評価されていませんでした。

しかしeラーニングシステムを導入すると、社内外研修の受講状況のデータ管理が容易にできるため、受講者の努力を評価に反映しやすくなります。そのため社内外研修へのモチベーションを高められるのです。

eラーニングシステムのデメリット

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eラーニングシステムを導入するデメリットは、以下の3つです。

  1. 環境の準備が必要
  2. 学習意欲の影響を受けやすい
  3. 実技の経験が積めない

導入前にデメリットも理解しておくと、トラブル発生前に対策を立てやすくなります。この記事では具体的な対策をお伝えしますので、ぜひご活用ください。

三上 晃潤
監修者
三上 晃潤
今まで管理の手間からテストを実施できていなかった企業がテストを実施して、半期の評価に反映させたり、任意受講の学習状況を見ながら社員の志向を把握し、人事異動に活かしたりしている企業は少なくありません。

デメリット1:環境の準備が必要

オンライン学習教材であるeラーニングは、インターネット環境がないと受講ができません。

そのため受講者によっては受講ができず、学習機会の不平等が起こる場合があります。そこでeラーニングシステム導入前に、全受講者が平等に受講できるための対策を考えておくことが重要です。

具体的には、以下2つの対策があります。

  • オンライン環境の整備
  • オンライン中にダウンロードできる機能を持つeラーニングシステムの導入

少なくとも職場内にオンライン環境を用意し、オンライン中にダウンロードできるシステムを活用することで、機会の不平等を回避することができます。

これらの対策なら環境に左右され、学習の機会が奪われる心配もありません。

デメリット2:学習意欲の影響を受けやすい

eラーニングシステムには、場所や時間に縛られることなく受講者のペースで学習できる魅力があります。一方で、各受講者の学習意欲の影響を受けやすいデメリットがあることも知っておかなければいけません。

学習ペースは各受講者に委ねられており、集合研修のように周囲からの監視の目もありません。場所や時間に縛られない受講スタイルだと、モチベーションの維持が難しいでしょう。

そこで、以下2つの対策があります。

  • 進捗状況に合わせた声かけやメッセージを送る
  • コミュニティへの参加を促す

一人で学習する場合、モチベーションを維持するのは至難の技です。そんな時、学習を促してもらったり、一緒に頑張る仲間ができたりすると、モチベーション維持がしやすくなります。

eラーニングシステムは学習効率化に優れたシステムである一方で、このような弱点もあります。これら弱点の対策を考えておくことも必要です。

三上 晃潤
監修者
三上 晃潤
業務を監督している現場リーダーの方が部下の方へ受講を促したり、日々のフィードバックにおいて具体的な業務と学習コンテンツの紐づけをしてあげたりすることができると、学習意欲も高まりますし、学習が業務に生きてきます。LMS365はTeamsと連携し、そういったコミュニケーションの場からシームレスに学習コースへ誘導することができます。

デメリット3:実技の経験が積めない

eラーニングシステムは学習の効率化に優れている一方で、オンライン教材である特性上、実技研修ができないデメリットもあります。

看護師や整備士のような実技がメインの職種には、eラーニングでの研修は難しいでしょう。反対に経営戦略や語学研修など座学で理解できる職種には、向いていると言えます。

実技が必要な職種への対策は、以下の3つがあります。

  • 知識補充としてeラーニングシステムを活用
  • 別に実技試験を設ける
  • 実技チェックリストにて到達度を可視化できるシステムを作る

デメリットの対策をしつつ、メリットを最大限活かせる環境を用意していきましょう。

eラーニングシステムの選び方

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この章ではeラーニングシステムの選び方について、以下の3つのポイントを紹介します。

  1. コンテンツの充実度
  2. 運用のしやすさ
  3. コスト面

以上の3つのポイントを押さえておくと、自社に最適なeラーニングシステムを選べるようになりますので、ぜひご活用ください。

コンテンツの充実度

eラーニングシステムを選ぶ際は、コンテンツが充実しているかを基準に選びましょう。自社にとって有効なコンテンツがないと、せっかく導入しても意味がありません。

以下2つの方法で、コンテンツが充実しているかを確認しましょう。

  • 目的の設定
  • 受講者のモチベーションを高める機能の有無

まずはeラーニングシステムを導入する目的を明確にしましょう。例えば、「新人社員のビジネスマナー研修がしたい」「自社のマーケティング力の強化のため、経営戦略について学びたい」などが目的に挙げられます。その上で、既存のコンテンツ内に目的を達成できるコンテンツが網羅されているかを確認しましょう。

次に受講者のモチベーションを高める機能の有無も重要です。例えば、個人の努力を人事評価として還元できる機能やコミュニティなどがあげられます。個人の努力次第で人事評価が上がることが分かれば、モチベーションを高めることもできます。

運用のしやすさ

運用のしやすさを基準にeラーニングシステムを選ぶ方法もあります。運用側の負担が大きなシステムを導入しても、長続きしないからです。

例えば、クラウド型eラーニングシステムなら構築から導入後のメンテナンスなどシステム運用上の負担は不要になります。そのため、受講者の学習評価やコンテンツ作成に専念でき、運用の負担を軽減できるでしょう。

加えて操作性がシンプルなシステムを選ぶことも運用のしやすさに関係するでしょう。操作が複雑なシステムだと、運用者のモチベーションを高めにくく、使いこなすこともできません。

長期的に利用していくeラーニングシステムだからこそ、運用のしやすさで選ぶのも重要なのです。

コスト面

eラーニングシステムを導入するならコスト面も気になるのではないでしょうか。

コンテンツの質を担保しつつ、コストを抑えることがポイントです。そこで利用料金の支払い方法に着目すると良いでしょう。

支払い方法は、以下の2通りがあります。

  • 従量課金製
  • 月額固定制

従量課金制とは、利用者数に応じて料金を決める方法です。「新入社員のみ」や「マーケティング担当者」だけに研修を受けさせたいなど、受講者を限定している場合、従量課金制なら利用料を抑えることができるのです。

一方の月額固定制は、人数に限らず月額利用料が決められています。そのため、従業員数の多い大企業におすすめです。受講者数の変更のたびにユーザー登録の変更をする必要がなくなるため、運用側の負担も減らせます。

このように利用料金に着眼してみるのも良いでしょう。

eラーニングシステムの導入にはメリットが多い

以上、eラーニングシステムのメリット・デメリットについて、導入を検討している企業目線・受講者視点で解説しました。

要点を以下にまとめます。

  • eラーニングシステム(LMS)とはeラーニングの学習管理システム
  • 企業側のメリットは教育管理の効率化やコストカットができること
  • 受講者のメリットは学習方法に制限がなく、努力がデータ化されること
  • 導入時は「コンテンツの充実度」「運用のしやすさ」「コスト面」を基準に選ぶことが大切

eラーニングシステムを導入するデメリットについては、ある程度対処が可能です。一方のメリットは、企業・受講者の両者に十分あることもわかりました。

企業側は教育管理の効率化ができることで、効果的に社員のスキルアップができたり、組織全体の生産性の向上が図れたりします。

受講者側は学習がしやすくなったり、努力次第で人事評価を上げやすくなったりするなどのメリットがあります。また、コミュニティの活用で学習に対するモチベーションの維持ができるのも良いでしょう。

この記事を活用いただき、自社に最適なeラーニングシステムの導入ができれば幸いです。

eラーニングシステムを導入するなら「LMS365」

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導入するメリットは、以下の3つです。

  • 導入が簡単
  • 簡単にコンテンツを作成・配信・管理できる
  • Microsoft365上で動作する唯一のLMS

eラーニングシステムを導入する企業にとって最も不安なのが、システムの構築と運用管理ではないでしょうか?

LMS365なら新たにサーバーを用意する必要はなく、既存システム(Microsoft365)にインストールをするだけなので簡単に導入できて、セキュリティ面も安心できます。

またLMS365はMicrosoft365上で動作する唯一のシステムです。

Word、Excelをはじめ、様々なファイル形式に対応しているため、従来から慣れ親しんだツールでコンテンツの作成や配信、管理ができます。そのため、導入後に操作がわかないという利用者や管理者のストレスは軽減されます。

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監修者

三上 晃潤

三上 晃潤(株式会社ソフィア 事業開発部 リーダー)

人事部、広報部、経営企画部、情報システム部を中心に、eラーニングシステムを活用した課題解決の提案やLMS365の導入支援を行う。最大手コンビニチェーンや最大手商社等の窓口を担当し、年間25,000ライセンス以上の販売実績を持つ。

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