ソーシャルラーニングとは?特徴や問題点、LMSとの組合せについて解説

インターネットやソーシャルメディアの普及により、世界中の人との関わりが身近なものになりました。
他者との関わりを学びに活用する「ソーシャルラーニング」が、新しい学習形態として注目されています。

この記事では、ソーシャルラーニングの特徴や問題点、LMSeラーニングシステム)と合わせた活用方法などについて解説していきます。


ソーシャルラーニングとはどのような学習方法か?

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ソーシャルラーニングでは、ソーシャルコミュニティを活用した学習形態のことで最新の情報を素早く取り入れることができるなど、活用方法によっては画期的な学習体験をすることが可能です。

本章では、ソーシャルラーニングの概要について解説します。

コミュニティによる学習方法

ソーシャルラーニングとは、参加者同士で知識を共有するスタイルの学習方法です。教える側と学ぶ側に分かれておらず、参加者が互いに知識を交換することができます。
最近ではeラーニングを通してソーシャルラーニングができる場合もあります。

eラーニングは、オンライン上で行う学習スタイルを指し、現在ではLMS(学習管理システム)を用いて学習を提供することが主流になっています。

LMSは教材を登録したり、学習者の管理をしたりすることができるシステムです。
LMSにより細かい仕様は異なりますが、PCだけでなくスマートフォンやタブレットからもアクセスできる機能がついたLMSもあり、環境さえ整っていればいつでもどこでも学習をすることが可能となっています。

LMSによって様々な機能が搭載されていますが、最新のLMSの中にはソーシャルラーニング機能が備わっているものもあります。LMSにログインし、ソーシャルラーニングに参加すれば、特定の学習ジャンルについて、参加者同士で情報を共有することができます。

インフォーマルラーニングの1種

ソーシャルラーニングはインフォーマルラーニングの1種です。

企業における学習形態は大きく2種類あり、フォーマルラーニングとインフォーマルラーニングに分けられます。

フォーマルラーニングとは、企業が主体となって実施する学習形態で、日時や学習内容があらかじめ決められており、講師と受講者の立場がはっきりと分かれています。
企業が主催する講習会やセミナー、ワークショップなどがフォーマルラーニングに分類されます。

インフォーマルラーニングとは、個人が主体となって取り組む学習形態のことで、あらかじめ計画されておらず、日常の場で偶発的に生じる学びの場です。
仕事中にわからないことを上司に聞いたり、インターネットでわからないことを調べたりする出来事がインフォーマルラーニングに分類されます。

ソーシャルラーニングは、偶発的に発生した誰かの疑問を別の有識者が解決するという学習方法なので、インフォーマルラーニングに分類されます。


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ソーシャルラーニングの4つの特徴

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ソーシャルラーニングが、参加者同士で知識を共有する新しいスタイルの学習方法であることがわかりました。

次にソーシャルラーニングの特徴を4つ解説します。

特徴①:属人的なスキルや経験を共有できる

ソーシャルラーニングはそれぞれの個人しか知らない知識を、コミュニティの参加者と共有することができます。
企業活動を行ううえで獲得した情報やノウハウは企業にとって財産となります。しかし、知識やノウハウを適切に管理できていない企業もあります。
企業が情報を管理する際に問題となっているのが、情報の属人化です。

仕事をしていると、各個人での気づきが蓄積していきます。この知見を個人が1人あるいは小さな集団で抱えていても、現状以上の発展は期待できません。しかし、それぞれのスキルや経験を社内で共有すれば、これまで蓄積されてきた情報を最大限活用することができます。

特徴②:最先端の知識や情報が共有できる

ソーシャルラーニングの特徴として、最先端の情報を共有できることが挙げられます。
ソーシャルラーニングは気軽に情報共有をすることができる場なので、教材を作成する手間がかからず情報を公開する際に時間がかかりません。そのため、いち早く最新の情報を共有することができます。

また、ソーシャルラーニングは参加者が情報を持ち寄るスタイルなので、最新情報を集約できる場になります。1人の講師が受講者に情報を提供する形式の学習方法だと、提供できる情報量には限界があります。しかし、ソーシャルラーニングなら参加者が全員情報提供者になりうる環境のため、それぞれの知見を集合させることで情報量を担保することができます。

特徴③:実践に活かせる学習ができる

ソーシャルラーニングでは、実践的な知識を取り入れることができます。
従来のフォーマルラーニングで実施されるのは、基本的な知識を習得するための学習が多く、そのままでは実際の業務にそのまま生かすことができない場合もありました。

ソーシャルラーニングでは、先輩やエキスパートの実際の経験から知見を得ることができるため、得たノウハウや知識をすぐに業務に生かすことが可能です。しかし、後の章でも触れますが、知識やノウハウが偏る場合もあるため、基本的な知識を習得する場も併せて提供しておく必要がある点には注意しておきましょう。

特徴④:イノベーションのきっかけになる

限られた資産のなかで企業が成長を促進するためには、新たな価値を創造する機会が求められています。
ソーシャルラーニングはイノベーションを創造するきっかけになると言われています。

ソーシャルラーニングで一部の人が持っている知識を組織に共有することにより、同じ課題意識をもつメンバー同士での議論に発展します。イノベーションは複数の価値観や知識が融合して生まれることが多いため、ソーシャルラーニングによる情報共有はイノベーションの創造に適していると言えるでしょう。

ソーシャルラーニングでの意見交換から生まれた新しい意見をブラッシュアップして社内に提出すれば、斬新な切り口からの意見で、これまでにないサービスや新たな製品などを生み出すことにも繋がります。

ソーシャルラーニングの問題点

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新たな学習方法として注目されているソーシャルラーニングですが、現在行われているソーシャルラーニングには改善すべき問題点が残されています。

ソーシャルラーニングの抱える問題点は以下の3点です。

学習内容が偏る可能性がある

ソーシャルラーニングはあくまでもコミュニティの参加者同士で知識を共有し合う学習方法であるため、知見を蓄積したマニュアルがある訳ではありません。
そのため、同じ議論や似たような内容の議論がコミュニティ内で繰り返される可能性があります。
ソーシャルラーニングに講師やリーダーはいないので、疑問が発生したらその話題が何回出たとしてもその場で解決されない限りは何度も同じ議論の繰り返しになってしまうというリスクがあります。

また、ソーシャルラーニングで知識を提供するのは参加者なので、コミュニティの参加者の質によって学習内容が大きく左右されてしまいます。

偶発的な学習のため仕方がないですが、企業内でソーシャルラーニングを取り入れる場合は学習の質を高めることが課題と言えるでしょう。

ツールの選定が必要

ソーシャルラーニングはTwitterやFacebook、Yahoo!知恵袋などのパブリックSNSを使用して行われる学習方法でした。
しかし、企業内の情報共有の場としてソーシャルラーニングを導入する場合、パブリックSNSはセキュリティやコンプライアンス面で問題が生じてしまいます。
例えば、同じ企業に勤めている人が社内の情報共有コミュニティに参加したと思ったら、実は成り済ました他人だったということもありえます。機密情報が外部に漏えいする可能性があるためパブリックSNSの利用は危険性が高いと言えるでしょう。

このようなトラブルを防ぐためには、パブリックSNSではなく組織内に閉じて利用できるツールを選定する必要があります。

フロー型の情報共有になりやすい

ソーシャルラーニングはフロー型の情報共有になりやすいという問題点があります。
情報共有には、フロー型とストック型の2種類に分けられます。
フロー型の情報共有とは、情報を資産として蓄積していくのではなく、一定の短い期間に限定して情報を共有するスタイルのことです。LINEやメールなどの会話形式の情報共有はフロー型の情報共有に分類されます。

反対にストック型の情報共有とは、情報を長期にわたり資産として蓄積していくスタイルのことです。ストック型の情報共有では再利用を想定して情報をコンテンツとして蓄積します。

ソーシャルラーニングは基本的には会話形式の学習スタイルなので、フロー型の情報共有になりやすいと言えます。

しかし、企業内のノウハウを管理するうえでは、コンテンツを蓄積して後の世代に情報を受け継ぐことのできるストック型の情報共有が向いています。フロー型の情報共有だと、その場限りの情報共有なので同じ議論が繰り返される可能性が高まり、過去に解決された議論を探す手間もかかってしまいます。

LMSはソーシャルラーニングの問題点を解決できる

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ソーシャルラーニングはいち早く最新の情報を共有することができたり、実践的な知識を取り入れることができたりと、実務に役立つ知識をインプットするのに最適な学習方法です。

一方で、学習内容の偏りやセキュリティ面での不安が問題として残っています。

ソーシャルラーニングを安心して実施するために、ソーシャルラーニング用の機能を搭載したLMSも登場しています。

ストック型の情報共有が可能なLMS

LMSには、ソーシャルラーニングでストック型の情報共有を行える機能を搭載したものも登場しています。
元々のソーシャルラーニングは会話形式で行われていたため、その場限りで一過性の情報を共有するフロー型の情報共有でした。しかし、フロー型の情報共有だとせっかくの議論の内容が流れてしまうため、コンテンツとして情報を残しておく目的には向いておらず、時間経過に弱いという問題点がありました。

LMSが提供するソーシャルラーニングツールは、従来のソーシャルラーニングの弱点を補う目的もあるため、フロー型の情報共有ではなく、ストック型の情報共有を行えるための仕組みを備えています。

そのため、LMSを活用したストック型のソーシャルラーニングは、蓄積されたコンテンツがあるためその時点での参加者の質により学習内容が乏しくなってしまうことがなく、知識を有効活用していくことができます。

情報共有の対象を設定できる

LMSには学習コンテンツを公開する対象を設定できる機能がついているものが多く、ソーシャルラーニングにおいても情報共有の範囲を細かく設定できる場合があります。
スレッドは社内全体や特定の部署など、設定した範囲内で共有されます。専門的な内容であったり、一部の人たちにしか関係のない情報を共有したりする際には、公開範囲を限定しておくと情報が埋もれず、知りたい情報にアクセスしやすくなります。

その他にも、一時的に業務を委託する社員やアルバイト等には顧客の個人情報や特定のノウハウ等にアクセスできないように設定することで、セキュリティやコンプライアンス面でも安心して利用することが可能です。

このように、コンテンツの内容に合わせて公開範囲を設定することで、情報を最適な形で共有することができます。

コンテンツの再利用が可能

LMSには基本的に、コンテンツを管理できる機能が搭載されています。
そのため、ストック型の情報共有ツールとしてコンテンツを蓄積し、再利用することが可能です。

掲示板型のソーシャルラーニングツールでは、議題ごとにスレッドを作成し、スレッド内で議論が交わされます。
投稿された内容には、タグをつけたり、関連するスレッドを設定したりすることができ、コンテンツとして情報を蓄積していくことが可能です。

そうして蓄積されたコンテンツには、「いいね」をつけたり、コメントをつけたりすることもでき、生きた形でコンテンツを共有することができます。

もちろん、修正が必要な項目に関しては自由に削除・更新を行うことができますが、不変的な内容のコンテンツはどんどん蓄積されていくため、LMSを使い続けるほどコンテンツが充実していきます。

LMSを導入するメリット

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ソーシャルラーニングを行うことができるという点以外にも、LMSを企業内教育に活用するメリットはあります。

受講者に合わせた学習とフォローが可能

LMSでは、用意したコンテンツを組み合わせて独自の学習コースを組むことができます。
そのため受講者の能力やスキルの獲得状況に応じて学習コースを設定することで、それぞれの受講者はモチベーションを保ちながら自身のペースに合わせて学習を進めていくことができます。

LMSには受講者の学習状況を管理できる機能がついており、学習の進捗状況や成績を管理者が確認することができます。
学習が止まってしまっている受講者には個別でメッセージを送ったり、成績が伸び悩んでいる受講者には個別で質疑応答の機会を設けるなど、丁寧なフォローを実施することが可能です。

LMSの主な機能一覧【選び方のポイントや導入時の注意点も解説】

コストを削減できる

LMSを用いれば、教育を効率化できるため、社員教育にかかる人件費や資料印刷などにかかるコストを大幅に削減することができます。
従来の対面型の学習スタイルだと、人を集めて会場を準備する必要があったため、スケジュール管理や会場準備等に手間がかかり、コストがかかってしまうという問題点がありました。
LMSを活用した学習では、資料配布や講義動画をすべてオンライン上で配信することができるため、学習ごとに時間や手間をかけずに一定のクオリティの教育を提供することができます。

その分、教育コンテンツを充実させたり、受講者ごとのフォローに時間をあてたりすることができ、全体の教育の質を向上させることができるというメリットもあります。

LMSのメリットについてはこちらの記事で詳しく解説しておりますので、併せてご覧ください。
LMSのメリット・デメリットとは?効果的な活用方法をわかりやすく解説

LMSを活用してソーシャルラーニングを取り入れよう

企業の成長のためには既存の知的財産や人材を最大限活用することが求められています。

SNSで他者との意見交換に慣れている人にとっては、ソーシャルラーニングはカジュアルに新しい情報をアウトプットし、かつインプットできる親しみやすい学習手段です。

企業の人材育成にソーシャルラーニングを取り入れることで、既存のノウハウを有効活用することができるだけでなく、活発な意見交換の場となるため新たなイノベーションの創出にも繋げることができるでしょう。

パブリックSNSでのソーシャルラーニングにはまだまだ課題が残されていますが、企業内でのソーシャルラーニングに特化したLMSを活用すれば、ソーシャルラーニングの特性を十分に生かした学習環境を整えることができます。

Learn365(旧LMS365)では、同じOffice365ファミリーである「Microsoft Teams」と融合することで、ソーシャル機能を持つLMSとして学習環境を構築することができます。

ソーシャルラーニングの導入を検討している企業様はぜひお気軽にご相談ください。

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LMSの導入する企業にとって最も不安なのが、システムの構築と運用管理ではないでしょうか?

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Word、Excelをはじめ、様々なファイル形式に対応しているため、従来から慣れ親しんだツールでコンテンツの作成や配信、管理ができます。そのため、導入後に操作がわかないという利用者や管理者のストレスは軽減されます。

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監修者

三上 晃潤

三上 晃潤(株式会社ソフィア 事業開発部 リーダー)

人事部、広報部、経営企画部、情報システム部を中心に、eラーニングシステムを活用した課題解決の提案やLearn365(旧LMS365)の導入支援を行う。最大手コンビニチェーンや最大手商社等の窓口を担当し、年間25,000ライセンス以上の販売実績を持つ。

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