エンゲージメントとは?向上させる5つの方法や意味・メリットを解説

日本では長い間終身雇用制度や年功序列の報酬体系が一般的でしたが、最近は転職をともないキャリアアップを行う考え方が浸透してきており、3年以内に離職する人が増えています。

そのような状況で注目されているのが、企業と従業員の信頼関係を高めるための施策です。
従業員の企業に対する愛着心や熱意を高めることにより、離職リスクが低くなるだけでなく、個人単位での生産性が高まるなどのメリットを期待することもできます。

この記事では、従業員の企業に対するエンゲージメントを高めるための方法や、おすすめのツールなどを解説いたします。


エンゲージメントとは?

engagement-improve-about

エンゲージメントは、2つの物事の深いつながりを表す言葉です。

身近な使用例でいうと婚約指輪は英語でエンゲージメントリングと言います。エンゲージメントには様々な意味があり、「婚約」もエンゲージメントの1つです。婚約をした両者のつながりを深めるための指輪であるという意味で、エンゲージメントが使われます。

また、エンゲージメントという言葉はビジネスで使われることも多い言葉です。ビジネスにおけるエンゲージメントは、従業員と企業のつながりや、企業と顧客のつながりについて使われます。

人事用語としての意味

エンゲージメントは、直訳すると「契約」「誓約」「約束」などを意味する英単語です。2つの物事が深いつながりによって結ばれている状態を表す言葉だといえます。

一方、エンゲージメントが人事用語として使われる場合は、主に従業員と会社、あるいは従業員と仕事そのものの関係性について使われることが多いです。

そもそも「エンゲージメント」という言葉が使われる際にこの言葉が表すつながりはTPOによって異なります。例えば、マーケティングの分野で「エンゲージメントマーケティング」というと、顧客と企業の関係性において、売上を向上させるために有効な行動を明らかにするマーケティング手法を指します。

エンゲージメントは、企業経営の分野でも一般的に使われる言葉となっており、特に人事領域で使われることが多いです。

エンゲージメントの3つの区別

人事用語としてのエンゲージメントは広い意味で従業員が仕事に対して抱く満足感のことを指しますが、もう少し細かく3つに区別することができます。

エンゲージメントの3つの区別は下記の通りです。

①従業員エンゲージメント

会社に貢献したいという自発的な意欲のことで、「愛社精神」と呼ばれることもあります。
従業員エンゲージメントが高い状態であれば、企業への帰属意識が高いため退職をする可能性が低くなります。
また、自発的に企業に貢献するための行動をとることができるモチベーションでもあるため、従業員エンゲージメントが高くなれば個人としての業務効率が上がる傾向にあります。

②ワーク・エンゲージメント

従業員エンゲージメントと混同されやすい言葉に、ワーク・エンゲージメントがあります。

ワーク・エンゲージメントはオランダのユトレヒト大学の教授によって学術的に提唱されている言葉で、「活力」「熱意」「没頭」の3つの要素が揃った状態で、従業員が仕事に対してポジティブな意欲を抱いている心理状態のことを指します。

③従業員満足

「従業員満足」は従業員が企業や業務、職場環境などに対してどれだけ満足できているかを示す指標です。
こちらも従業員エンゲージメントと似ている言葉ですが、従業員エンゲージメントが「従業員と企業のつながり」に着目している言葉であるのに対し、従業員満足は「従業員が企業に対して抱く満足度」に着目しているという点で違いがあります。

もちろん、従業員の企業に対する満足度が上がることは、従業員エンゲージメントが高まる要因になりますが、必ずしも明確な相関関係があるわけではありません。


オンライン学習の環境を構築するならLMS365

Microsoft365上で稼働する唯一のLMS「LMS365」は、WordやExcel・PowerPointなどの 慣れ親しんだツールで教材コンテンツを作成することができるため、ストレスなく簡単に導入を進めることができます。 初期費用無料キャンペーンや30日間の無料デモサイト体験を実施しておりますので、ぜひお気軽にお問い合わせください!

エンゲージメントの向上が求められる理由

engagement-improve-reason

人事領域でのエンゲージメントは、従業員が企業や仕事に対してポジティブな感情を抱いている状態のことです。最近ではエンゲージメントを向上させるために、様々な取り組みを行う企業が増えています。

それでは、一体どのような理由でエンゲージメントの向上が求められるようになったのでしょうか。

エンゲージメントの向上が求められるようになった理由を3つご紹介いたします。

人事制度や習慣の崩壊

エンゲージメントの向上が求められる理由としては、日本のビジネスシーンで人事制度や習慣が崩壊していることが挙げられます。

かつての日本では、新卒で入社した企業で定年退職するまで働き続ける終身雇用の考え方が一般的でした。また、企業では勤続年数が長くなればなるほど給与が上がる年功序列の給与体系が採用されていました。
そのため、転職をする必要性を感じることなく、1つの企業で長く働き続けることが当たり前になっていました。

しかし、最近は様々な職業を経験したり、スキルを生かして同業他社に転職したりすることで待遇を上げていく働き方が浸透してきており、転職へのハードルが下がっています。

そのため、従業員を長期間確保するためには、時代の変化に合わせて従業員が働きやすい環境を整える必要性が生じています。

高齢化社会と人材不足

日本では2007年から高齢化率が21%を超えるなど、高齢化が進んでいます。2021年に全世界で高齢者の総人口に占める割合の統計をとった結果を見ると、日本が最も高齢者の割合が高い国となっています。

高齢化が進むことにより、若い人材の絶対数が減り、離職率の低下を防がなければ更なる人材不足へと陥いることになります。

人材不足を抑えるためにはエンゲージを高めて従業員の定着率を高める必要があります。また、今いる人材の育成や業務効率向上によって、人材不足に対処することも重要です。

価値観の多様化

時代の移り変わりとともに、あらゆる側面において価値観が多様化しており、従業員エンゲージメントを高めるためには、企業としての考え方も時代に即した価値観へとアップデートしていかなければなりません。

様々な価値観を持つ従業員がやりがいを感じながら働くためには、共感できる企業理念やビジョンを掲げる必要があります。
社会の動きに目を向け、企業の利益のためだけでなく、社会貢献という視点からも価値のある企業活動を行うことが求められています。
企業への信頼や共感を表す指標として、エンゲージメントへの注目が高まっています。

エンゲージメントを向上させる3つのメリット

engagement-improve-merits

エンゲージメントの向上が求められるようになった背景には、人事制度や慣習の変化、高齢化社会と人材不足、価値観の多様化などの社会的な事情が関係していることがわかりました。

日本全体の社会的状況の変化が理由となっているため、エンゲージメントを向上させることは企業の規模に関わらず解決すべき課題となっています。

エンゲージメントの向上に効果的な対策方法を説明する前に、エンゲージメントの向上で期待できる3つのメリットをご紹介します。

エンゲージメント向上のメリット①:生産性の向上

エンゲージメントを向上させることは、従業員のモチベーションを上げることにつながり、結果として生産性が向上します。

企業に対する愛着心がない状態だと、仕事をするモチベーションが報酬や人事評価などの外的要因だけになってしまいます。
外的要因だけがモチベーションとなって行動をとる場合、やる気が短時間しか続きません。また、業績に報酬が見合っていないと感じてしまうと、一気にモチベーションが下がってしまいます。

エンゲージメントが向上し、企業に対する愛着や企業の経営目標に共感して業務に取り組むようになると、自発的に業務改善に取り組めるようになります。

結果として、業務効率や仕事の質の向上につながり、生産性を高めることができます。従業員1人ひとりのエンゲージメントが向上すると、企業全体の営業利益率や労働生産性が上がるということも判明しています。

エンゲージメント向上のメリット②:離職率の低下

エンゲージメントを向上させることにより、従業員の離職率が低下するというメリットもあります。

離職する原因の多くは、エンゲージメントの低下と関係しています。そのため、エンゲージメントを向上させることによって、離職の原因が少なくなるため離職率を下げることが期待できます。

離職率が低下することにより、優秀な人材やノウハウの流出を防ぐことができるほか、人材育成コストや採用コストの増大も防ぐことができます。

エンゲージメント向上のメリット③:企業イメージのアップ

エンゲージメント向上には、企業イメージのアップというメリットもあります。

従業員のエンゲージメントが上がることにより、従業員が業務に向き合う姿勢が改善し、顧客満足度も向上します。また、エンゲージメントが高まると従業員同士のコミュニケーションが活発化し、職場全体の雰囲気がよくなります。

エンゲージメントが向上すると離職率が低下し、従業員が定着するため、求人市場での評判もよくなります。採用希望者が増えることにより、人材不足の解消や優秀な人材の確保も期待することができます。

エンゲージメントを向上させる方法

engagement-improve-how-to

エンゲージメントの低下に悩んでいる企業は、すぐにエンゲージメントを向上させるための対策をとらなければなりません。
エンゲージメントが低下してしまう理由は企業によって異なるため、企業が抱える問題に合わせた対策が求められます。

ここでは、エンゲージメントを向上させるための方法として一般的なものを5つご紹介します。

エンゲージメント向上の方法①企業理念とミッションを共有する

エンゲージメントが向上しない原因として多く見られるのが、従業員に企業理念やミッションが浸透しておらず、企業の方針に対する共感を得られないということです。

企業理念とミッションを従業員に理解してもらうことは、エンゲージメントを向上させる上で特に重要となります。
従業員が企業理念とミッションに共感すれば、企業の掲げる目標を達成するための意欲が湧き、エンゲージメントが向上します。

企業理念とミッションを共有するために取るべき方策は、企業理念やミッションが浸透するまで説明する機会を増やすということです。また、企業理念とミッションが伝わりやすいよう、わかりやすい言葉で説明するという方法もあります・

エンゲージメント向上の方法②雇用や昇進の基準をエンゲージメントにする

雇用や昇進の基準をエンゲージメントにするという方法で、エンゲージメントを向上させられることもあります。

雇用の時点でエンゲージメントに着目することで、従業員のエンゲージメントを高く保つことができます。
エンゲージメントの高い従業員がいることで、周囲の従業員のエンゲージメントまで高まり、企業全体のエンゲージメント向上につながります。

また、エンゲージメントを基準に昇進することで、エンゲージメントの高い従業員が指導側の立場に配置されます。
エンゲージメントの高い人材が上司として部下の育成に関わることで、部下のエンゲージメントを向上させることができ、職場全体のエンゲージメントが向上します。

エンゲージメント向上の方法③ワークライフバランスを意識した労働環境を作る

エンゲージメントを向上させるためには、ワークライフバランスを意識した労働環境を作ることも有効です。
従業員の価値観は多様化しており、働き方に対するニーズは人によって異なります。
多様化する価値観に合わせた働き方ができるように労働環境を整えることで、従業員のエンゲージメントを向上させることができます。

価値観にあった働き方ができれば、従業員のエンゲージメントが向上し、生産性や業務効率の向上につながります。

具体的な方法としては、フレックスタイム制の導入や、育児・介護のための時短勤務を取りやすい環境づくりなどが挙げられます。
また、残業の多い部署があったら原因を究明し、人員配置の見直しや業務改善を行うなどの対策をとることも有効です。

エンゲージメント向上の方法④コミュニケーションを活性化させる

企業のエンゲージメントを向上させるためには、コミュニケーションの活性化も効果的です。
人間関係が希薄だったり、問題が生じていたりすると、職場で働くこと自体がストレスになりエンゲージメントが低下します。

特に最近はテレワークを導入している企業が増え、業務連絡以外のコミュニケーションが減少している企業が多く見られます。
コミュニケーションが減ってしまうと、組織への帰属意識が低下し、エンゲージメントが低下する原因となります。

コミュニケーションを活性化させる具体的な方策としては、定期的な面談の場の設定や、気軽に使えるコミュニケーションツールの導入などがあります。

エンゲージメント向上の方法⑤学習機会の提供

学習機会の提供に力を入れることで、エンゲージメントの向上を期待することができます。
エンゲージメントが下がってしまう要因として、成長を感じることができない環境であるということが挙げられます。
そのため、従業員が学びたい内容を学ぶことができる環境を提供すれば、会社に対するエンゲージメントを向上させることができます。

研修の中でスキルの定着を実感することができれば、それが成功体験につながり、自分への自信に繋がるとともに企業への愛着心も高まります。

効率的にエンゲージメントを向上させるには?

engagement-improve-lms

エンゲージメントを効率よく向上させるためには、既存のシステムで改革を進めていくだけでなく新たなツールやサービスを導入することが有効です。

特にツールの活用でサポートできる機能はコミュニケーション面や学習面です。

ここからは、エンゲージメントを向上させるために相性の良いLMSについて詳しく解説していきます。

LMSを活用する

LMSは効率的にエンゲージメントを向上させるのに役立ちます。

LMSとはeラーニングをサポートし、学習を円滑に進めるためのシステムのことです。

eラーニングは、企業の研修や教育現場で普及しつつある、オンライン上で学習教材を提供する学習形態です。いつでもどこでも学習を進めることができるというメリットがある一方で、教材の修正やユーザー情報の管理などの課題がありました。

LMSで教材やユーザー情報を管理することで、安全かつ便利にeラーニング教材を提供することが可能になりました。LMSにはさまざまな製品・サービスがあり、細かな仕様や機能は異なりますが、基本的な機能として教材管理機能と学習管理機能があります。

LMSがどのようにエンゲージメントの向上に活用できるかについてさらに詳しく解説します。

コミュニケーション機能を活用する

LMSには、チャットや掲示板、ビデオ会議などの機能が搭載されている製品があります。

LMSの製品によっては、チャットなどの気軽なものからビデオ会議などの本格的なものまで様々な形式のコミュニケーションツールが搭載されていることもあります。
複数のコミュニケーションツールが搭載されているLMSであれば、普段は気軽にチャットで相談をして、面談の際にはビデオ会議を使う、といったように使い分けることができます。

様々なコミュニケーションツールを駆使することで、組織のチーム力が高まり、エンゲージメントを向上させることができます。

受講者管理機能を活用する

LMSには学習管理機能が搭載されており、受講者の学習の進捗状況や理解度などを確認することができます。
これにより、受講者がどの程度研修を進められているか、確認テストの成績からどの程度業務に対しての理解を深められているか等について、リアルタイムで確認することができます。

LMSの受講者管理機能を活用することにより、適切な学習のフォローを行うことができ、スキルアップをサポートすることができます。

学習コンテンツの配信機能を活用する

教材の配信機能はLMSの代表的な機能です。LMSを利用すれば教材を登録したり、学習コースを作成したりすることができます。

受講者に合わせた学習コンテンツを配信することができるため、受講者は自身の技量に適した学習をモチベーションを保ちながら継続することができます。

これにより、従業員の求めるワークライフバランスが実現しやすくなり、エンゲージメントの向上を期待することができます。

関連記事:LMSの主な機能一覧【選び方のポイントや導入時の注意点も解説】

従業員のためにもエンゲージメントの向上を目指そう

この記事では、エンゲージメントの意味や、従業員エンゲージメント向上のメリット、エンゲージメント向上に役立つツールであるLMSなどについて解説しました。

終身雇用や年功序列のシステムが崩れたことにより、転職者が多くなった現在、エンゲージメントを向上して人材の流出を防ぐことが求められるようになってきました。

エンゲージメントを高めるためには、企業理念の共有やワークライフバランスの実現、コミュニケーションの活性化などが有効だと考えられています。

数あるツールの中でも、エンゲージメントの向上におすすめのツールがLMSです。

改めて企業のエンゲージメントに目を向け、従業員のエンゲージメントを高めるために、LMSの導入を検討してみてはいかがでしょうか。

eラーニングシステムを導入するなら「LMS365」

eラーニングシステムを導入するなら「LMS365」がおすすめです。

導入するメリットは、以下の3つです。

  • 導入が簡単
  • 簡単にコンテンツを作成・配信・管理できる
  • Microsoft365上で稼働する唯一のLMS

LMSの導入する企業にとって最も不安なのが、システムの構築と運用管理ではないでしょうか?

LMS365なら新たにサーバーを用意する必要はなく、既存システム(Microsoft365)にインストールをするだけなので簡単に導入できて、セキュリティ面も安心できます。

Word、Excelをはじめ、様々なファイル形式に対応しているため、従来から慣れ親しんだツールでコンテンツの作成や配信、管理ができます。そのため、導入後に操作がわかないという利用者や管理者のストレスは軽減されます。

LMS365なら導入前後のストレスを感じず、簡単に学習システムを構築できますので、この機会にぜひご利用ください。デモサイトでの体験もできますのでお気軽にお問い合わせください。

eラーニングを効果的に運用するなら、使い慣れたPowerPointやWordを
簡単に学習教材として利用できるLMS365がおすすめです。
まずはお気軽にお悩みや課題をご相談ください!
LMS365を無料で
30日間お試ししませんか?
担当者よりご返信いたします

監修者

三上 晃潤

三上 晃潤(株式会社ソフィア 事業開発部 リーダー)

人事部、広報部、経営企画部、情報システム部を中心に、eラーニングシステムを活用した課題解決の提案やLMS365の導入支援を行う。最大手コンビニチェーンや最大手商社等の窓口を担当し、年間25,000ライセンス以上の販売実績を持つ。

LMS365の導入実績

様々な業種・企業様にてLMS365をご利用いただいております。

eラーニングを効果的に運用するなら、使い慣れたPowerPointやWordを
簡単に学習教材として利用できるLMS365がおすすめです。
まずはお気軽にお悩みや課題をご相談ください!