ビジネスにおけるマインドセットとは?意味やメリット、教育について解説

私たちの思考や行動、それらからもたらされる結果は、自分自身が持つ「マインドセット」に大きく影響されます。それは個人だけでなく、組織全体においても同様です。

本記事では、マインドセットの意味からその重要性、形成要素、そして教育の手法とその効果、注意点まで、幅広く解説していきます。


成長や結果に影響を与えるマインドセットとは?

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ビジネスの世界では、技術や知識だけではなく、考え方や物事の捉え方も成果を左右する大きな要因です。
そして、その思考の枠組みを支えるのが「マインドセット」です。
ビジネスパーソンとしての成長や組織の成果に深く影響を及ぼす「マインドセット」について、詳しく解説していきます。

マインドセットの意味は?

「マインドセット」とは心理学における用語で、無意識の思考パターンや行動パターンを形成する、我々の考え方の基本的な枠組みを指します。具体的には、自己の固定概念や思い込みがマインドセットに該当します。これらは日常生活やビジネスの現場で、私たちの思考や行動パターンを大きく左右する力となります。

そして、このマインドセットを上手く活用し、形成することは、ビジネスパーソンとしての成長に直結します。マインドセットは先天的なものではありません。常に意識し、適切な教育によって育てていくことで、より良い形に変えていくことが可能です。

高まるマインドセットの重要性

現代社会は、急速なデジタル化の進展とそれに伴う考え方の変化が激しい時代です。このような環境下では未来を予測することすら困難であり、経営者やリーダーだけでなく、従業員一人ひとりの成長が求められるようになっています。そのため、マインドセットの重要性がより一層高まっています。

従業員自身の意識や考え方が柔軟になると、それが行動に反映されます。そして、その変化が組織全体に波及していくことで組織の発展に大きな影響を与えることになります。

このように、マインドセットの力を理解し、適切に育てることが個々の成長だけでなく、組織全体の成長にも寄与します。

マインドセット教育は必要?

マインドセットは個人の行動に大きな影響を与えます。従業員1人ひとりが、良好なマインドセットを身につけることで、その行動が変化し、結果として企業全体のパフォーマンスが大幅に向上します。

また、マインドセットは周囲の人間にも影響を与え、広がっていく性質があります。企業がマインドセット教育を行い、それを組織レベルで普及させることで、組織全体が課題解決のための共通の思考パターンを持つことが可能になります。

成長と硬直

マインドセットは主に「成長型マインドセット」と「硬直型マインドセット」の2つに分類されます。

まず、成長型マインドセットを持つ人は、「人間の能力は努力によって伸ばすことができる」という考え方を持っています。新しいチャレンジに対しても恐れず、また、難しい課題に直面した時でも途方に暮れることなく、積極的にその解決に向けて努力を続けることができます。その結果、個人の成長を促進し、組織全体のパフォーマンス向上にも貢献します。

一方、硬直型マインドセットを持つ人は、「人間の能力はあらかじめ決まっており、変えることはできない」という考え方に固執します。この思考パターンを持つ人は、失敗を避けるために新しい挑戦から逃げる傾向があり、結果として個々の能力や組織全体の成長が停滞する可能性が高まります。


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【組織】マインドセットを形成する要素

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マインドセットは個々の思考や行動パターンを形成する重要な要素ですが、その影響力は個人だけに留まりません。
組織全体のパフォーマンスや風土、さらには企業の成長にも深く関わっています。
次に、組織のマインドセットを形成する要素について解説いたします。

経験

経験はマインドセットに大きな影響を与えます。

例えば、成功体験をもとに、その人は成長型マインドセットを持つようになります。
一方で、失敗体験があると、その苦い経験から恐怖心が生じ、新たな挑戦に躊躇するようになり硬直型マインドセットの形成につながります。

ただし、成長型マインドセットがしっかりと形成されている状態であれば、失敗経験すらも自己成長の一部と捉え、その経験から学んだ教訓を改善点とすることで、成功につなげることができるようになります。

事業特性

事業特性とは、会社が取り扱う製品やサービスの性質を指します。この事業特性は、会社全体の文化や働き方、そしてマインドセットに大きな影響を与えます。

たとえば、高価でありながら品質の高い製品を取り扱っている会社においては、「質が高いものこそがよいものだ」という価値観が根付く可能性があります。

これが、従業員一人ひとりのマインドセットを形成する上での基盤となり、その結果企業全体の品質追求の文化が形成されます。

企業理念

企業理念とは、その企業が長期的な視点で追求するべき価値や目指す姿を表したものです。企業理念は組織の運営方針や行動基準を決定する基盤となり、組織全体としてのマインドセットを形成していきます。

企業理念に基づいて組織を運営することで、一貫した思考や行動が生まれ、それが組織全体のマインドセットとして浸透していきます。さらに、この企業理念を全ての社員が意識し、共有することで組織全体が目指す方向性が一致し、組織としての一体感や向上心が生まれます。

【個人】マインドセットを形成する要素

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成長を促進し、結果を生み出すマインドセットは、個々の人間に深く根ざしています。
続いては個人のマインドセットを形成する要素について解説いたします。

経験

個人のマインドセットを形成する大きな要素の一つに、過去の経験が挙げられます。
人間は誰しもが、過去のさまざまな経験を通じて、自分自身の考え方や行動パターンを形成しています。そのため、過去の経験はマインドセットに大きな影響を及ぼします。

また、経験はその人が持つ先入観や価値観にも大きく影響します。

例えば、ある行動が成功につながった経験をした人は、その行動をポジティブに評価する傾向にあります。逆に、失敗に終わった行動はネガティブに評価されるかもしれません。

このように、先入観や価値観は経験によって形成され、それがマインドセットに影響を与えます。

暗黙のルール

暗黙のルールとは、職場独自で共有されているルールのことを指します。
このような暗黙のルールは、職場ごとまたは組織ごとに大きく異なることがあります。

そのため、新たに転職をした際などには、以前とは異なる暗黙のルールに触れることで、自身のマインドセットが大きく変わることがあります。

職場独自の暗黙のルールを理解し、それに適応することが求められるため、無意識のうちにマインドセットが大きく影響を受けます。

マインドセット教育を実施するメリット

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考え方、すなわちマインドセットを変えることは、私たちの結果を変える力を持っています。それでは、このマインドセット教育が、具体的にどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

マインドセット教育を実施するメリットをご紹介いたします。

モチベーションアップ

成長マインドセットを身につけることにより、従業員は自分の能力に対して自信を持ち始めます。これは、自分自身が成長する可能性を信じることから来るもので、それが仕事における積極的な取り組みに結びつくのです。

また、従業員が前向きな姿勢で仕事に取り組むと、その結果として組織全体も良い方向へと変化します。
個人が努力し、成果を上げることで、組織もそれに引きずられる形で成長していきます。

良い影響が広がる

マインドセット教育を実施するメリットは、その効果が個人だけに留まらず、周囲にも波及することです。具体的には、成長マインドセットを獲得した従業員がいると、その影響力により、その周囲の人々もまたポジティブなマインドセットを身につけるようになります。

こうしたポジティブな考え方が広がると、職場全体の雰囲気も明るくなり、従業員たちは自分の意見や感情を率直に表現することができるようになります。これは、健全な職場環境を整えるだけでなく、さまざまな課題解決に向けたスピードを大きく加速させます。

従業員一人ひとりが自己の成長を実感しつつ、その効果が周囲に広がり、組織全体としての成長を促す。これが、マインドセット教育がもたらす大きなメリットとなります。

マインドセットを変化させるステップ

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マインドセットを意図的に変化させるというのは一体どういうことなのでしょうか。
続いては、マインドセットを変化させるための具体的なステップを解説します。

ステップ①:マインドセットの存在を知る

マインドセットとは、私たちが物事をどのように捉え、理解し、行動に移すかを決定する基本的な考え方や信念のことを指します。その存在を理解することは、マインドセットを変える最初の一歩となります。

マインドセットは固定されたものではなく、意識的な取り組みによって変化させることが可能です。マインドセットが自分の行動や結果に与える影響を理解し、成長を目指すマインドセットを形成するための過程に進むことは、自己成長や個々のパフォーマンス向上につながります。

ステップ②:マインドセットの傾向を把握する

次に、自分が現在どのようなマインドセットを持っているのかを把握する必要があります。自身の考え方や行動の背景にあるマインドセットを見つめ直し、それがどのように自分自身の行動や結果に影響を与えているのかを理解することが重要です。

また、その過程で、自分の現在のマインドセットが自身の成長や目指すべき方向に対して助けになっている部分や、逆に障害となっている部分を見つけることも大切です。

このステップは、どの部分を改善し、どのマインドセットを育てていくべきかという目標を設定するのに役立ちます。

ステップ③:目標を設定する

続いては、自分自身がどのようなマインドセットを持ちたいのか、どう改善したいのかについて明確な目標を設けましょう。

マインドセットの変化を達成するためには、その方向性を具体的に捉えることが必要です。例えば、「失敗を恐れずに挑戦する」「困難に直面した時でも解決策を探す前向きな思考を持つ」など、自分がどうなりたいのかを具体的な形でイメージすることが大切です。

このとき、設定する目標はできるだけ具体的にしましょう。あいまいな目標では、自分がどう行動すればよいのか、どう評価すればよいのかが不明確となり、行動に移すことが難しくなってしまいます。

ステップ④:変化に向けて行動を起こす

新しいマインドセットを身につけるためには、単に目標を立てるだけではなく、それに基づいた行動を具体的にとることが重要です。

例えば、「失敗を恐れずに挑戦する」というマインドセットを目指すならば、実際に何か新しいことに挑戦したり、失敗を経験したりした後もその経験から学び、次に活かすような行動を取ることが求められます。

マインドセットの変化は、一度に大きく変わるものではありません。日々の小さな思考や行動の積み重ねが、結果的に大きな変化につながります。

例えば、「前向きな思考を持つ」というマインドセットを持つためには、日々の生活の中で浮かんだ考えを前向きな思考に置き換えるといった小さな行動を積み重ねていくことが重要となります。

ステップ⑤:改善点を見つける

マインドセットを変化させるための最後のステップは、「改善点を見つける」ことです。
行動しながらPDCA(Plan:計画、Do:実行、Check:検証、Act:改善)サイクルを回すことで、目標のマインドセットに近づいていきましょう。

一度行動を始めたら、その結果を客観的に評価し、自分が設定した目標のマインドセットにどれくらい近づけたのか、またどの部分に改善が必要なのかを見つけ出す必要があります。

自分自身の行動や思考の傾向を客観的に捉え、改善点を見つけ出すことは、自分自身のマインドセットを理想的なものに近づけるために重要なステップとなります。

マインドセット教育の注意点

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このマインドセットを育て、教育するためには、ただ単に理論を学ぶだけではなく、ある特定の注意点やアプローチが必要となります。
次に、マインドセット教育における重要な視点や工夫についてご紹介してまいります。

マインドセットの変化には時間がかかる

マインドセットとは私たちが日常的に無意識のうちに形成している考え方や行動パターンのことであり、それを変えるためには時間と労力が必要となります。

マインドセットは一度に大きく変わるものではなく、無理に変えようとすればかえって逆効果になることもあります。
したがって、マインドセット教育を進める際は、じっくりと時間をかけて行うことが大切です。

成功体験を積み重ねる

私たちが何か新しいことを学ぶとき、何かを変えるとき、成功体験はその継続のエネルギー源となります。成功体験があると自己効力感が高まり、それが次へのモチベーションとなるからです。

マインドセットを変える教育を進める際には、まずは小さな成功体験を積み重ねていくことが大切です。それが自信につながり、さらなる挑戦へのモチベーションへとつながります。

そのため、マインドセット教育の際は、小さな成功体験を積む機会を多く作ることが重要なポイントとなります。

関連記事:社員のモチベーションを高める研修とは?目的や流れ、LMSを活用する方法を紹介

マインドセット教育を行うべきタイミング

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マインドセット教育は、特に人生や職業生活の転換期に行うことで、その効果を最大限に引き出すことができます。
例えば、新卒社員が入社したとき、海外赴任の前、あるいは管理職に登用されるときなど、環境の変化が起こるときです。

これらのタイミングでマインドセット教育を行う理由は、新しい環境への適応や成長を促進するための新たな視点や考え方を提供することが可能だからです。

また、マインドセット教育を効果的に実施するためには、LMS(Learning Management System)を活用するとよいでしょう。

LMSは、マインドセット教育の進行を円滑にし、効果的な学習環境を提供するための有力なツールとなります。

LMSを使用することで、一貫した教材を提供し、個々の学習進度を管理することができます。
その結果、教育担当者は、コミュニケーションによるフォローや学習での成功体験の積み重ねなど、学習者の支援に専念することができます。

関連記事:LMSの主な機能一覧【選び方のポイントや導入時の注意点も解説】

マインドセットで組織を成長させよう

この記事では、組織の成長や個々のパフォーマンスに大きな影響を与えるマインドセットについて詳しく解説しました。

マインドセットは一夜にして変わるものではありませんが、時間をかけて形成し、成長に結びつけることで組織全体の向上に寄与します。

組織全体の生産性を高めるためには、知識やスキルの教育ももちろん大切ですが、マインドセット教育も重要な役割を果たします。

是非LMSを活用してマインドセット教育を導入し、組織の更なる成長に役立ててみてください。

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監修者

三上 晃潤

三上 晃潤(株式会社ソフィア 事業開発部 リーダー)

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