HRBPと人事の違いとは?仕事内容や役割、導入のステップを解説

時代に合わせた人事戦略が求められている現在、「HRBP」が注目を集めています。

HRBPは単なる人事担当者ではなく、戦略的な人材管理や組織変革を担当し、経営目標の実現に貢献する役割を果たします。この記事では、HRBPに関する基本的な知識や、導入の手順について解説いたします。


HRBPとは?

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HRBPは従来の人事業務とは異なり、戦略的なパートナーとして企業の成長と組織変革を支援する役割を果たします。

その存在を重視する企業が増えつつある「HRBP」の役割と具体的な業務内容について詳しく解説いたします。

HRBPの意味

HRBPとは、「Human Resources Business Partner」の略称であり、日本語では「人事戦略を担うビジネスパートナー」と訳されます。

HRBPは一般的な人事業務のみを担当するわけではなく、経営陣や各部門のリーダーと連携し、戦略的なパートナーシップを築く役割を担います。

ビジネスの理解や洞察力を持ち、組織の成果に貢献するために様々な業務を遂行します。

HRBPと人事の違い

HRBPは従来の人事部門とは異なる役割を果たしています。

HRBPは戦略的なパートナーとして経営陣と連携し、組織の戦略的な目標を支援する役割を担っている一方、一般的な人事・労務部門は主に日常的な人事業務や労務管理に関わります。

HRBPは人事戦略の立案や実行に深く関与し、ビジネスの成果に貢献します。

さらに、HRBPはCHRO(Chief Human Resources Officer)との連携も欠かせません。CHROは最高人事責任者であり、人事戦略の立案や組織全体の人材戦略を統括する立場のCHROの指示を受けつつ、具体的な実行や現場での支援を行います。


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HRBPで定義されている4つの役割

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HRBPは、人事の領域において重要な役割を果たすポジションです。

HRBPの役割は多岐にわたり、組織の成長と従業員の成功を支援するために幅広い業務を担当します。ここからは、HRBPで定義されている4つの役割について紹介します。

役割①:戦略実現パートナー

HRBPは経営陣と連携し、ビジネス目標に向けた人材計画を策定します。企業の成長戦略に合わせて、必要な人材のスキルや人員配置、将来の人材需要予測や採用戦略の立案に関与します。

また、企業戦略と事業戦略にマッチした人事施策を打つために、各部門と連携するのもHRBPの役割です。部門ごとのニーズや課題を把握し、人材育成や評価制度の改善など、具体的な施策を提案します。

戦略実現パートナーとして、HRBPは経営陣との強い信頼関係を築き、ビジネスの成果を支える人材戦略の立案や実行に取り組みます。

このようにHRBPは企業の成長と組織の発展を促進する重要な役割を果たしています。

役割②:人材管理エキスパート

HRBPには、労働法や労務規則に関する最新の情報を把握し、企業内での適切な運用をサポートする役割もあります。労働契約の作成や更新、労働時間の管理、休暇や福利厚生制度の運用など、労務管理全般を担当します。

また、HRBPは人事データの管理や分析も行います。人事データベースの構築やメンテナンスを行い、人事情報の正確性や機密性を確保します。

採用の効果や教育の効果、給与とパフォーマンス等のデータ取得と分析を行い、人材管理に関する意思決定の根拠となる情報を提供します。

役割③:従業員のパートナー

HRBPは、従業員とのコミュニケーションを通じて、彼らの意見や要望を把握し、組織の改善に反映させる役割があります。

定期的な面談やアンケート調査、フィードバックの提供などを通じて、従業員の声を聞き、組織内の課題やニーズを把握します。

次に、従業員の働きやすさや働きがいの向上をサポートします。
HRBPは、従業員の働き方や職場環境に関する課題を分析し、改善策を提案します。柔軟な働き方の導入や労働環境の改善、福利厚生制度の見直しなど、従業員の満足度やエンゲージメントの向上に向けた取り組みを推進します。

役割④:組織変革エージェント

HRBPは、組織のビジョンや戦略に基づいて変革の方向性を定め、その実現に向けた戦略を策定します。

組織文化の変革や新たな働き方の導入、組織構造の再設計など、様々な変革活動を通じて組織の成長を促します。

また、HRBPは、組織のビジョンや価値観を従業員に浸透させるための活動を行います。コミュニケーションや研修プログラムの提供、組織文化の醸成などを通じて、従業員の意識や行動の変革を促します。組織の方向性に共感し、かつ協力的な姿勢で取り組む従業員を育成することで、組織変革の成功を支えることが可能です。

HRBPの重要性が高まった理由

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急速に変化するビジネス環境の中で、HRBPの重要性はますます高まっています。
ここからはHRBPが重要視される理由について紹介していきます。

変化する社会環境への対応

デジタル技術やAI技術の発達によってビジネス環境は大きく変化しました。

その結果、従来の業務やスキルセットだけでは対応できない新たな課題やニーズが生まれました。HRBPは組織のビジネス戦略と調和しながら、必要な人材やスキルを把握し、採用や育成の計画を立てることで、組織が技術の変化に迅速かつ適切に対応できるよう支援します。

また、フレキシブルな働き方やリモートワークの需要が増え、従業員の働き方の選択肢が広がったこともHRBPの重要性が高まった理由の1つです。

HRBPは、働き方の変化に柔軟に対応しながら、従業員のニーズや働きやすさを考慮した施策を提案し、職場環境の改善を支援します。

人材確保の競争率の高まり

グローバル化によって企業は世界各地で才能を求めるようになり、優秀な人材の確保はますます競争が激しくなりつつあります。

人材市場の競争率の高まりは、組織が優秀な人材を引き付け、確保することを難しくしています。そのため、組織は魅力的な雇用環境を提供し、個々の従業員の成長やキャリアパスに対するサポートを行う必要があります。

また、技術の進歩により需要が高まっている専門分野では、優れたスキルを持つ人材の需要が増えています。組織は、AIやデータ分析などの分野で必要なスキルを持つ人材を獲得するために、積極的な人材戦略を展開する必要があります。

HRBPを導入する4つのステップ

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HRBPの導入を成功させるためには、事前にしっかりと計画を立てた上で導入を進める必要があります。
続いては、HRBPを導入するための4つのステップについて説明します。

ステップ①:人事戦略の明確化

人事戦略の明確化とは、自社の事業計画や経営目標に基づいて、将来の人材戦略を明確にすることです。

組織が成長するためには、適切な人材を確保し、育成して、活用することが不可欠です。そのためには、現在の組織の状況や将来のビジョンを踏まえて、必要な人材のプロファイルや数、スキルセットなどを明確にする必要があります。

まずは、経営陣や関係者とのコラボレーションを通じて、自社のビジネス戦略や目標を詳細に理解します。その上で、将来の成長戦略や市場の変化を考慮し、必要な人材の特性や役割を定義します。例えば、新たな市場に参入する際には、その市場に精通した専門知識を持つ人材が必要となるでしょう。

ステップ②:実行体制の検討

明確化された人事戦略を実現するために、実際の導入が必要であるかどうか、そしてその実行体制について検討することが求められます。

まずは、人事戦略の具体的な実行に向けて、組織内外の関係者との協議や意見交換を行います。

その上で、実行体制について検討します。具体的なタスクや役割分担、必要なリソースや予算、導入期間などを考慮し、実行計画を策定します。

ステップ③:トライアルでの実行

HRBP導入は組織にとって大きな変化をもたらします。そのため、事前の検討や計画だけでは実際の効果を正確に評価することは難しく、トライアルから少しずつ規模を拡大していくのが望ましいとされています。

まずはトライアルの実施計画を策定します。導入のスケジュール、評価基準、データの収集方法などを明確にし、実行する部署や関係者と共有します。

また、トライアル期間中にフィードバックや課題の洗い出しを行い、改善点を特定していきます。

ステップ④:担当者の能力向上

HRBPの運用が安定してきた段階で、担当者の問題解決能力を向上させることで、HRBPの効果をより高めていくことが求められます。

担当者の能力向上のためには、専門的な知識やスキルの習得が重要です。HRBPは人事戦略の立案や実行に関わるため、労務や人事管理の知識、ビジネスに関する知識、データ分析やコミュニケーションスキルなど幅広い領域の知識が必要です。

教育プログラムやトレーニングセッションを通じて、担当者の専門性を高める取り組みが重要です。

HRBPに求められる4つのスキル

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HRBP導入を成功させるためには、幅広いスキルセットが求められます。HRBPは、組織の人事戦略を立案し、実行する重要な役割を果たします。そのため、人事領域だけでなく、ビジネスやリーダーシップに関するスキルも必要とされます。

スキル①:人事や労務の知識

HRBPは、経営陣をサポートし、組織の成果を最大化するために人事領域の専門知識を持つ必要があります。

具体的には、労働法や労働規則、労働契約などの労務管理に関する知識が求められます。また、採用や配置、評価制度など人事管理に関する知識も必要です。

HRBPは、人材の採用や配置、評価、研修などを通じて組織の成長を支える役割を果たします。そのため、人材育成や組織の発展につながる知見やノウハウを持っていることも重要です。

スキル②:経営者視点の思考

HRBPには、経営者視点の思考能力も重要です。
HRBPは単に人事業務を遂行するだけでなく、経営目標を深く理解し、企業が持続的に成長するための人事戦略を立案する役割を果たします。

経営者視点の思考とは、経営者と同じような視点や考え方で課題や機会を見つけ、それに対する戦略を立てる能力のことです。HRBPは、人事の側面から組織の課題を分析し、人材戦略や組織開発の方向性を決定するため、経営者が重視する視点で物事を考える必要があります。

経営者視点の思考を持つためには、まず経営の基本的な原則やビジネスモデルについての理解が必要です。経済状況や業界のトレンド、競合状況などの情報を収集し、それを組織の戦略立案に生かす能力も求められます。

スキル③:問題解決能力

問題解決能力もHRBPに必要不可欠なスキルの1つです。

問題解決能力とは、企業が抱える課題や問題を的確に分析し、適切な解決策を提案する能力のことです。HRBPは、人事管理や労務管理に関する問題に対して、深い洞察力を持ってアプローチする必要があります。

企業の性質や時代によって解決すべき課題は多岐に渡ります。例えば、人材確保の課題、組織の効率化、ダイバーシティ&インクルージョンの推進などがあります。それぞれの課題に対して、HRBPは多角的な視点からアプローチし、柔軟な解決策を見つけ出す必要があります。

スキル④:コミュニケーション能力

HRBPは、優れたコミュニケーション能力を身につけていることも重要です。なぜなら、HRBPは組織内の様々なステークホルダーとコミュニケーションを取りながら人事戦略を推進し、組織の成功に貢献する役割を果たすからです。

さらに、HRBPは従業員との関係構築にも積極的に取り組む必要があります。従業員の声やニーズを理解し、彼らが働きやすい環境や福利厚生を提供するためには、コミュニケーションを通じて信頼関係を築くことが重要です。

従業員からのフィードバックを受け入れ、それを人事施策に反映させることで、組織のエンゲージメントや生産性を向上させることができます。

HRBPとLMSの組み合わせは良い?

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HRBPとLMSの組み合わせは非常に有効です。

LMSとはeラーニングの学習管理システムのことであり、効率的な学習を可能にするツールです。LMSを活用することで、多様なスキルが求められるHRBPの人材育成や社内コミュニケーションを促進することができます。

また、従業員はLMSを通じて自己学習を進めることができ、時間や場所に制約されずに学習を行うことができるようになります。これにより、人事戦略における人材育成を効率化することが可能となります。

また、HRBPはLMSを通じて個別フォローや情報共有を行うこともできます。さらに、組織全体の学習や情報共有を一元化することも可能です。このように、HRBPとLMSの組み合わせは効果的な人材育成とコミュニケーションの手段となります。

HRBPを導入する場合の注意点

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HRBPは、組織の戦略的な人事管理を担当する役割であり、組織の成長や人材育成に大きな影響を与えます。

しかし、HRBPの導入にはいくつか注意すべきポイントがあります。

いきなり導入しない

HRBPの役割を適切に果たせる人材はまだ少なく、育成や研修が必要な場合が多いため、いきなり全ての部門に導入するのではなく、まずは部分的な導入から始めましょう。部分的な導入を行うことで、徐々に体制を整えていくことができます。

また、組織全体への変革を段階的に進めることで、限られたリソースを効果的に活用しながら、HRBPの導入に必要な教育やトレーニングを実施することができます。

さらに、部分的な導入によって結果を評価し、改善点や課題を把握することができます。

他部署との連携が必須

HRBPは組織全体の課題解決を目指す役割を果たすため、他部署との緊密な連携が不可欠です。現場の声を把握し、経営者の視点と組み合わせるために、他部署とのコミュニケーションを密にしましょう。それによって、より包括的な視点で課題に取り組み、組織の成果を向上させることができます。

また、他部署とのコミュニケーションを密にすることで、組織内の様々な視点や専門知識を活用しながら、課題に取り組むことができます。

他部署との協力関係を築くことで、情報共有や意見交換がスムーズに行われ、課題解決のスピードと品質が向上します。

環境を整える

業務に集中できない環境では効率的な業務遂行ができません。そのため、業務環境を整えることもHRBPを導入するうえで重要なポイントです。

まず、適切なツールやシステムの導入で業務を効率化し、情報を一元化します。例えば、先に述べたLMSを活用した学習環境を整えておくと、HRBPの人材育成や社内コミュニケーションの活性化が期待でき、HRBPの効果を最大化することにつながります。

そしてHRBPのメンバーを集約し、チームとしての連携を強化します。さらに、経営者に意見を述べる能力を持つ人材を選定しておくと、社内での意見交換をスムーズに行うことができるようになり、課題解決のスピードが上がるでしょう。

戦略遂行のためにHRBPを導入しよう

この記事ではHRBPの役割や導入手順について詳しく解説しました。

HRBPはビジネスの理解や洞察力を持ち、組織の成果に貢献するために、戦略的なパートナーとして企業の成長と組織変革を支援する役割を果たします。HRBPに求められるスキルは幅広く、社内でHRBP人材を育成するという考え方が重要となります。

組織の成長に向けてHRBPの役割を最大限に発揮するためには、LMSなどの学習ツールを導入しておくことがおすすめです。

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監修者

三上 晃潤

三上 晃潤(株式会社ソフィア 事業開発部 リーダー)

人事部、広報部、経営企画部、情報システム部を中心に、eラーニングシステムを活用した課題解決の提案やLMS365の導入支援を行う。最大手コンビニチェーンや最大手商社等の窓口を担当し、年間25,000ライセンス以上の販売実績を持つ。

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