反転学習とは?LMSと組み合わせるメリットや注意点について解説

人材育成は将来的に組織を成長させていくための根幹となるため、常に取り組み続けなければなりません。
しかし、昨今の新型コロナウイルスの流行が原因で、集合研修を行うことが難しい社会状況となりました。

そこで、eラーニングが注目を集め、学習方法の見直しが検討されています。

この記事ではeラーニングを活用した学習方法のなかでも、学習定着性を高める効果があると言われている「反転学習」についてご紹介します。


反転学習とは?

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反転学習は、知識を蓄えるだけでなく活用する力を育てることが目的の新しい学習方法です。

日本の教育は知識を教えることに偏っており、身につけた知識を引き出して活用することができない人材が多いと言われています。そこで、従来の教育方法から脱却し、アウトプットの学習機会を増やすことで、実績につなげる力を育てていくことが、反転学習の目的です。

学校の授業と逆の学習方法

反転学習とは、知識のインプットが中心の学校教育とは反対で、アウトプットを中心とした学習方法のことを指します。

学校における従来の学習方法は、講義形式の授業で知識をインプットし、宿題でアウトプットをするという方法をとっていました。授業と宿題では授業の方がメインとなるため、インプットの比率が大きい学習です。
そのような従来の学習方法に対し、反転学習は家庭で授業の予習を行い、授業で知識のアウトプットを行う学習方法です。

反転学習は、2000年代に欧米を中心に広まった学習方法で、日本でも一部の学校で取り入れられています。
学校教育を中心に発展した学習方法ですが、最近は企業の人材育成でも取り入れられています。

反転学習が注目された理由

オンライン学習の発展とともに広まった反転学習ですが、最近再び注目を浴びています。新型コロナウイルスの流行により、学校への登校回数が減り、自宅での学習機会が増えたことがきっかけです。

自宅で講義動画を視聴し、知識をインプットするだけでなく、リモート通話を活用して本来対面で行っていたディスカッション等の授業も自宅で行われるようになりました。

反転学習は元々、eラーニング等を活用して自宅で行う学習と対面授業で行う学習を組み合わせた学習方法でしたが、近年の学習環境の発展により、全てオンラインで完結させることもできるようになりました。

特にeラーニング教材や受講者の管理を容易にできるLMSeラーニングシステム)を活用することで、より簡単に反転学習を取り入れることが可能となっています。


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反転学習のメリット

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反転学習はインプットよりもアウトプットに重きをおいた学習方法であることがわかりました。近年の教育のデジタル化により、ますます注目を浴びている学習方法と言えるでしょう。

次に反転学習のメリットについて解説します。

受講者は自分のペースでインプットができる

反転学習は、インプット作業が自習になるため、個々のペースで進めることができる点がメリットです。

学習者によって学習能力や理解のスピードは異なります。従来の学習方法のように、知識のインプットを講義内で行うと、講義についていけない人や、時間を持て余す人が出てきてしまいます。

反転学習では、インプット作業を個々のペースで進めることができるため、誰も取り残されることがありません。理解の早い人は、インプットの時間を短縮することができ、反対に理解に時間がかかる人は自身のペースで事前学習を行うことができます。

また、事前学習の段階で理解ができないことがあれば、授業の前に自分で調べておくこともできます。自分で調べてもわからない点があれば、質問事項としてまとめ、授業の段階で講師に教えてもらうことが可能です。

講義・研修ではアウトプットに時間が使える

反転学習で最も重要なのは、講義や研修の時間をアウトプットに充てるという点です。講義や研修の質を向上させることが、反転学習を取り入れる目的と言えます。

講義や研修がインプット中心の時間になってしまうと、受講者はあまり頭を働かせることなく受講することができてしまいます。反対にディスカッションやグループワークなど、人とのコミュニケーションが発生する講義や研修であれば、受講者自身が思考や発言する機会が多くなり、学習内容を定着させやすくなります。

事前学習の時点で必要な知識をインプットできていれば、講義や研修のほとんどをアウトプットの時間として充てることができ、より学習全体の質を向上させることが可能です。

関連記事:アクティブラーニングとは?メリットや事例を簡単にわかりやすく解説

LMSとの相性が良い

反転学習は、講義や研修の前に事前学習を行います。従来の講義にあたる内容を動画やテキスト教材に置き換え、参加型の講義・研修に備えて各自で予習を行います。

講師側は、対面学習の準備に加え、事前学習の教材を作成しなければなりません。LMSを利用することで、これまで講義に使用していたパワーポイントやPDF資料等をeラーニング教材として転用することができるため、教材作成に時間をかけすぎることはありません。
※教材作成機能は各LMS製品により異なりますので確認が必要です。

また、LMSでは受講者の学習進捗状況も確認できるため、対面学習までに事前学習が完了しているかどうかをリアルタイムで確認することが可能です。

LMSを活用することで反転学習をより円滑に実施することができるため、反転学習を導入する際は併せてLMSの導入も検討してみることをおすすめします。

反転学習とLMSを組み合わせる3つのメリット

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反転学習は、eラーニングでの事前学習と対面授業や集合研修などを組み合わせた学習方法が一般的です。前述のように事前学習をeラーニングで行うのであれば、LMSを活用することをおすすめします。

本章では、反転学習とLMSを組み合わせるメリットについて解説します。

メリット①:復習がしやすい

LMSがあれば、事前学習した内容を復習しやすいというメリットがあります。

対面授業の場合、1度しか講義を聞くことができないため、アウトプットをおこなったあとに再び復習をすることができませんでした。しかし、LMS上に講義動画を登録している場合、何度でも視聴し直すことができるため、アウトプットをした後に復習をし、理解度を深めることが可能です。

また、LMSのテスト機能を活用することで事前学習における理解度チェックを実施することもできます。受講者は理解度チェックを受けることで、自身の苦手な部分やあまり理解できていない部分を把握できるため、復習や対面授業当日の質問に活かすことができ、より効率良く学習を進めることが可能になります。

メリット②:個別にフォローができる

LMSでは、管理者が受講者の学習状況を確認することができます。

これにより、受講者の学習が進んでいない場合は学習を促したり、テストの点数が伸び悩んでいたら個別で対応したりすることができます。受講者が悩んでいる箇所や詰まっている箇所を把握することで、コミュニケーションが取りやすくなるという点がLMSを利用する最大のメリットの1つです。

反転学習は、受講者が積極的に事前学習に取り組むことがとても重要となります。事前学習をおろそかにしてしまうと、その後の対面授業においても学習効果は高まりません。

LMSを活用して受講者の学習状況を確認し、必要に応じて個別にメッセージを送る等して、モチベーションを高めて維持してあげることが反転学習の成功に繋がります。

メリット③:コストの削減

LMS上で事前学習や復習ができるため、対面授業や集合研修に費やす時間を削減することができる点もメリットの1つです。

企業で研修を行う場合、参加者全員のスケジュールを調整したり、会場や講師を手配したりする必要があるため、手間や費用がかかります。

しかし、LMSを活用して事前学習をオンライン上で行うことができれば、集合研修の回数を減らすことができ、時間や費用を削減することが可能です。また、集合研修を実施する時点で全員が一定のインプットを完了しているため、より質の高い研修を実施することができます。

関連記事:LMS(学習管理システム)の費用相場とは?種類別料金・ポイントを徹底解説

LMSで反転学習を行う際に注意すべき3つのポイント

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反転学習を導入する際には、あわせてLMSを導入することがおすすめですが、LMSで反転学習を行う際に注意すべきポイントが3点あります。

準備が不十分だと、期待していた効果を得られないこともあるため、注意点を意識して準備するようにしましょう。

ポイント①:LMSの環境を整える必要がある

反転学習にLMSを利用するのであれば、教材作成や受講者管理ができるだけでなく、オンライン通話や個別メッセージが可能なLMSを導入するとよいでしょう。LMSに搭載されている機能により利用料金が異なりますので、使いやすさ等も比較し、適したシステムを選ぶことが必要です。

また、LMSを導入した後は、受講者全員がLMSを利用できるよう、端末の準備やインターネット環境の確認を行う必要があります。もし、環境が整っていない受講者がいた場合、端末の貸し出しやWi-Fi環境の構築等のサポートが必要になります。

こちらの記事でLMS(eラーニングシステム)導入から運用までのポイントや注意点を解説しておりますので、あわせてご覧ください。
eラーニング導入後の運用を成功に導くポイント・注意点を徹底解説

ポイント②:事前学習の重要性が高い

反転学習を行う際に問題となるのが、事前学習を済ませておかなければ講義や研修で学習効果が得られないということです。

講義や研修がインプットの場になるのであれば、インプットをしない人は少ないでしょう。一方で、反転学習の場合は自主的に事前学習を進める必要があるため、インプットをしないで講義や研修に参加する人が出る可能性が高くなります。

事前学習をせずに講義や研修に参加しても、学習効果を高められないため、受講者には事前学習を続けるモチベーションを維持させることが重要です。

LMSの機能を活用し、受講者の進捗状況を日々確認し、必要であれば個別にサポートを行う必要があることを理解しておきましょう。

ポイント③:管理者の負担が大きい

反転学習にLMSを利用すると、事前学習でインプットを済ませた状態で講義や研修を行うため、よりレベルの高い内容の学習を行うことができますが、管理者の負担が大きくなる点は注意しておきましょう。

反転学習を行う講師は、知識を教えるスキルだけでなく、受講者同士のコミュニケーションを促すスキルが求められます。また、LMSで反転学習を行う場合は、講師は講義の準備だけでなく、事前学習コンテンツの用意やLMS上の受講者の学習管理を行わなければなりません。

教材の作成や修正が容易に行える機能や受講者の状況が管理画面上で見やすいLMSを選択することで、反転学習実施の際の負担を減らすことができるでしょう。受講者の環境だけでなく、管理者視点でLMSの機能や使いやすさを比較・検討することも重要です。

参考記事:LMSに組み込む教材の制作ポイントとは?方法やステップを解説

LMSで反転学習の効果を高めよう

インプットのみの講義を受けるよりも、受講者同士で思考し、ディスカッションを行う方が、学習定着率が高いと考えられているため、反転学習は効率のよい学習方法として注目を浴びています。

反転学習にはeラーニングを活用した事前学習が必要となりますが、eラーニングを行う場合はLMSを導入するとより効率的に学習を進められます。

LMSを活用することで事前学習教材の管理や受講者の学習状況を簡単に確認することができます。反転学習の導入を検討している方は、ぜひLMSの導入もあわせて検討してみてください。

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監修者

三上 晃潤

三上 晃潤(株式会社ソフィア 事業開発部 リーダー)

人事部、広報部、経営企画部、情報システム部を中心に、eラーニングシステムを活用した課題解決の提案やLMS365の導入支援を行う。最大手コンビニチェーンや最大手商社等の窓口を担当し、年間25,000ライセンス以上の販売実績を持つ。

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