企業にとって人材育成は今後の企業の発展を担う重要な課題です。研修に力を入れるほど優秀な人材が育ち、生産性の高い組織を形成することが可能になります。
研修を成功させるためには、教育内容だけでなく教育方法も大切です。教育効果を最大限に高められる研修方法を採用することが、人材育成を成功させるためのカギとなります。
この記事では、企業研修を行う方法のうち「集合研修」のメリットデメリットについて解説します。
また、集合研修の効果をより引き出すための方法「ブレンディットラーニング」 についても説明します。
集合研修とは?
企業研修のうち、最も一般的な方法の1つとして知られているものが集合研修です。集合研修とは、受講者が複数人集まって行う研修のことで、講義形式での学習やグループを作成してディスカッションを行うなどの研修内容があります。
受講者が集まって研修を行うため、誰もが学ぶべき基礎的な内容を学んだり、グループでディスカッションをしたりするのに適した研修方法です。
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集合研修を行う3つのメリット
社員教育の一環として研修を行う際は、目的に沿った研修方法を選ぶ必要があります。そのためには、研修方法ごとのメリット・デメリットを把握しておく必要があります。
集合研修では、実際に受講者同士が集まって研修を受けることによるメリットがいくつかあります。
本章では、集合研修を行う3つのメリットについて紹介します。
集合研修のメリット①直接的なコミュニケーションができる
集合研修の最大のメリットの1つが、実際に受講者同士が顔を合わせることで直接的なコミュニケーションができるということです。
企業の一員として働く上では、業務を覚えるだけでなく一緒に働くメンバーと良好な人間関係を築くことが大切です。また、同じ企業で働く人とのつながりを深めることは、企業への帰属意識を高めるきっかけにもなります。
集合研修で直接顔を合わせて、メンバー同士で結束力を強めることで、業務においてコミュニケーションを取ることが容易になり、スピード感のある連携や困った時に助け合いができるようになるというメリットがあります。
集合研修のメリット②:モチベーションの維持がしやすい
モチベーションを維持しやすいというのも、集合研修のメリットです。
個別に行う研修の場合、相談や質問をし合う仲間がいないためモチベーションが下がりやすいという問題がありますが、集合研修で仲間と一緒に研修を受けることで、お互いに刺激しあいモチベーションを維持しやすくなります。
仲間がいること以外にも、集合研修はモチベーションを維持しやすい要素があります。
集合研修を実施する場合、会場を借りたり外部講師を招聘したりするため、通常の業務時より緊張感が生まれ集中力が高まります。
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集合研修のメリット③:実技の習得ができる
集合研修には、より実践的な内容の研修を行うことができるというメリットもあります。
集合研修は講義形式の研修が代表的ですが、グループワークやロールプレイなども集合研修に含まれます。
グループワークは、複数人でグループを作りディスカッションやディベートを行う研修のことで、コミュニケーション能力や論理的思考力を磨くことを目的に行われます。
ロールプレイは、実際に起こりうる場面でどのように行動するかを擬似的に体験する研修方法です。顧客対応などの実践練習に用いられ、具体的な場面を設定した上でどのように対応するかを演じ、緊張感を持って実践スキルを身につけることができます。
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集合研修の3つのデメリット
集合研修には直接的なコミュニケーションができる、モチベーションの維持がしやすいなどのメリットがあることがわかりました。
しかし、集合研修は規模によっては大掛かりなイベントとなるため、準備に手間を要するなどのデメリットもあります。本章では集合研修の主なデメリット3つについて詳しく解説します。
集合研修のデメリット①:コストがかかる
集合研修には、コストがかかるというデメリットがあります。
講義形式の研修を行う場合、規模にもよりますが広い会場を確保しなければなりません。また、講師の方への謝礼や交通費、受講者の交通費なども負担する必要する必要があります。
また研修で使用するマイクやプロジェクターなどの機材も、会場でレンタルできない場合は企業側で準備しなければなりません。
費用の問題以外に会場や講師を準備するためには打ち合わせなどの時間も必要になり、通常業務に加えて集合研修の準備をするために時間と手間がかかってしまいます。
集合研修のデメリット②:スケジュール調整が必要
集合研修を開催するためには、各方面のスケジュールを調整しなければなりません。講師や利用する会場によって開催できる日程が限られてしまうだけでなく、通常業務との兼ね合いも検討しなければなりません。
新入社員研修のように内容や会場が毎年固定され、受講者のスケジュールも調整しやすい研修であれば比較的スムーズに準備をすることができますが、開催までに時間の余裕がない場合や、受講者の業務が立て込んでいる場合は特にスケジュール調整が難しくなると言えます。
集合研修のデメリット③:研修ペースの調整が難しい
集合研修は一斉に研修を行うため、受講者の理解度に合わせたペースの調整ができないというデメリットもあります。
研修内容によっては、研修中に内容を理解することができない人も発生します。集合研修は複数の受講者に対して一度に研修を行うことができる点がメリットではありますが、その一方で個々の理解度に合わせたフォローをしにくい点が大きなデメリットです。
集合研修を実施しても、内容が理解できていない受講者がいる場合は後に教育し直さなければならないため、かえって時間がかかってしまう場合もあります。
eラーニングは集合研修のデメリットを解決できる?
集合研修は企業が研修を行う際の代表的な方法ですが、様々なデメリットがあることがわかりました。
そこで、集合研修のデメリットを補うことができる研修方法としてeラーニングが注目されています。eラーニングが集合研修のデメリットをどのように解決できるのか解説します。
コストの削減ができる
eラーニングによる研修の場合、集合研修を開催するときと比較して費用を抑えることが可能です。
具体的に削減できるコストとして、講師や受講者の交通費や会場の費用、資料などの消耗品費などが挙げられます。
eラーニング導入時は運用に慣れるまでの時間的コストや手間がかかりますが、一度導入してしまえば次の研修時に同じ手間をかける必要はなくなります。
特に新入社員研修やコンプライアンス研修など毎年定期的に実施する内容の研修では、特に教材内容を変更する必要がないため研修を開催するハードルが大きく下がります。
研修会場の手配や講師とのスケジュール調整などに時間を取られていた場合は、eラーニングを活用して効率化をすることで、研修内容の充実に注力することが可能になります。
関連記事:LMS(学習管理システム)の費用相場とは?種類別料金・ポイントを徹底解説
どこでも学習ができる
eラーニングはインターネット環境と対応端末さえあれば、時間や場所を問わず学習を行うことができます。集合研修を開催する際はスケジュール調整が必要になりますが、eラーニングであればそれぞれの受講者が都合のいい時間に学習を進めることが可能です。
また、集合研修では座席によって画面の見やすさや声の聞き取りやすさに差がでてしまいます。それに対しeラーニングでは、受講者全員が平等な環境で学習することができるというメリットもあります。
復習が何度もできる
eラーニングでは、何度でもテキスト教材や講義動画を確認することが可能なため、受講者が理解できるまで何度も復習することができます。
集合研修は全員が一律に講義を受けるため、理解度に差がでた時の対応が難しいというデメリットがありました。eラーニングは、自分のペースで学習を進めることができるため、内容が理解できない場合一時停止して頭の中を整理したり、講義動画を繰り返し試聴して理解を深めたりすることが可能です。
また、理解の早い受講者は再生速度を調節して早く学習を済ませ、できた時間を他の学習や業務の時間にあてて有効活用することもできます。
三上 晃潤
例えば、新規事業を生み出すための研修やデザイン思考を身につける研修など、ディスカッションやアウトプットに時間を使いたい研修において、集合研修前後のeラーニングは必須だと感じています。
なぜなら、これらのことをやるには、ロジカルシンキングやラテラルシンキングは基礎スキルとなるからです。ある企業の中堅社員研修で、ロジカルシンキングができる前提で集合研修をおこなったことがありましたが、あまり良い結果になりませんでした。
前提を揃えるという意味でも、集合研修の時間を有効に使う意味でも、ロジカルシンキング等、基礎的だが重要でありインプットに時間がかかるものについては事前学習用のeラーニングを用意しておくことをおすすめしています。
集合研修とeラーニングは組み合わせて行うべき?
eラーニングは集合研修のデメリットを補うことのできる研修方法であると紹介しましたが、eラーニングのみで研修を行うことも下記の点から難しいと言えます。
- インターネット環境や対応端末の準備が必須
- 実技学習が難しい
- モチベーションの維持が難しい
eラーニングにおけるデメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しておりますので併せてご確認ください。
参考記事:eラーニングシステムのメリット・デメリットを企業・受講者視点別で解説
それぞれの研修方法にメリット・デメリットがありますが、集合研修とeラーニングの両方のデメリットを補うための方法として、ブレンディットラーニングが注目されています。ブレンディットラーニングとは、複数の方法を組み合わせて教育を行うことです。
本章では、ブレンディットラーニングの概要やメリット、注意点について解説します。
三上 晃潤
正解があるわけではないですが、通常業務を抱える中で、集合研修の時間を長くとるのは難しい傾向にあります。学校教育でも言われることですが、企業教育においても、皆で集まる機会は座学は極力減らしていく方向に動いています。
そうすると自然と事前インプットや研修と研修の合間のインプットの時間が増えてきます。例えば、先日行ったデザイン思考に関する研修は事前インプットで4時間のコンテンツを提供し、1泊2日の集合研修を行い、さらに4時間のコンテンツを提供し、その後半日の集合研修を行うということをやっていました。
ブレンディッドラーニングについて
ブレンディットラーニングは複数の方法を組み合わせた学習形態のことです。代表的なブレンディットラーニングが、集合研修とeラーニングの組み合わせです。
集合研修のコストや手間がかかるという問題は、eラーニングが解消することができ、反対にeラーニングの実技研修が難しいという問題は集合研修で補うことができます。
ブレンディッドラーニングのメリット
ブレンディットラーニングのメリットは複数の学習方法の強みを生かし、問題点を補うことができることです。
ブレンディットラーニングを有効に活用するには、それぞれの学習方法の強みを把握し、目的にあった組み合わせ方をすることが大切です。
集合研修とeラーニングの組み合わせであれば、例えばグループワークは集合研修で行い、グループワークに必要な前提知識はeラーニングで事前に学習させるといった使い分けが有効です。また、グループワーク後の復習としてeラーニングを活用したり、理解度テストを実施したりすることでより理解を深めさせることが可能です。
それぞれの学習方法を適切に組み合わせることにより、効果的・効率的に研修を実施できる点ができます。
ブレンディッドラーニングのポイント
ブレンディットラーニングはそれぞれの研修方法の問題点を補い合う学習方法ではありますが、学習方法の組み合わせ方を工夫しなければ期待に沿った学習効果を上げることはできません。
集合研修とeラーニングを組み合わせる場合は、どの内容をどの学習方法に割り振るのかを入念に検討する必要があります。
本章では、研修にブレンディットラーニングを導入する際に注意しなければならないポイントを3つご紹介します。
コミュニケーションの仕組みを準備する
ブレンディットラーニングを導入する場合、コミュニケーションの仕組みを準備しておくことが重要です。
集合研修に比べてeラーニングの方が手間やコストがかからないため、eラーニングの研修が多くなってしまいます。しかし、研修方法がeラーニングに偏ってしまうとコミュニケーションが不足してしまい、受講者が孤独を感じやすくなってしまいます。
学習のモチベーションを保つためには、受講者同士のコミュニケーションも重要となるため、集合研修の機会をなるべく増やしたり、オンラインで気軽にコミュニケーションできる環境を提供したりするなどの工夫が必要です。
研修後の流れを準備する
ブレンディットラーニング活用時のポイント2つ目は、研修を1回きりで終わりにせず、研修を続けていくサイクルを作ることです。
質のいい研修を実施しても、1回の研修だけですべての内容を身につけることは難しいでしょう。研修内容を実践に生かすためには複数回研修を実施することが有効です。
例えば複数の研修の合間に、学んだ知識を実際の業務内で活用する機会をもうけるなど、インプットとアウトプットのサイクルを回す仕組みを作ることで生きた知識が身につき、研修効果を高めることができます。
LMSを活用する
ブレンディットラーニング活用時のポイント3つ目は、eラーニングを取り入れる際はLMSを活用するということです。
LMS(Learning Management System)とは、eラーニングの運用をサポートするシステムのことです。
LMSを活用することで、eラーニングの教材や受講者を容易に管理でき、受講者の状況に合わせた学習コースを設定したり、学習の進捗状況を把握したりすることが可能です。また、チャットやビデオ通話などのコミュニケーション機能がついている製品もあるため、集合研修後のフォロー等にも活用することができます。
LMSには様々な製品があり、機能やサービス、導入費用などが製品によって異なるため、自社の研修目的に合った製品を選ぶことが大切です。
集合研修はeラーニングと組み合わせて行おう
企業の研修方法として代表的な集合研修ですが、直接的なコミュニケーションが取れることやモチベーションの維持がしやすいというメリットがある一方、実施する際にコストがかかってしまうというデメリットもあります。
集合研修にeラーニングを組み合わせる「ブレンディットラーニング」を取り入れることで、それぞれのデメリットを補い合って高い学習効果を期待することができます。
また、ブレンディットラーニングを取り入れる際はLMSを活用することをおすすめします。LMSを活用することでeラーニングの教材を管理し、コミュニケーションを活発にできるため、より研修効果を高め、よりよい人材教育を行うことが可能となります。
集合研修での人材教育に限界を感じている場合は、LMSを活用したブレンディットラーニングの導入を検討してみてはいかがでしょうか。
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